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2014-10-31

世田谷区の委託事業。ネット上の書き込みをパトロールするのに約450万円/年間

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インターネット。
簡単に様々な情報が入手できたり、メールやSNSで世界中の人々とコミュニケーションがとれたりと、生み出す価値は計り知れないものがあります。
(このブログで、多くの方に情報発信ができるのもインターネットがあるからこそです)
一方、ネットの普及により産まれるトラブルや犯罪もまた新たな課題。
特にネットリテラシーが低い子ども達をトラブルや犯罪から守るのは大人の努めでしょう。

子ども達を守る為に、どのような事が必要なのか。
世田谷区では「世田谷区立中学校非公式サイト等への不適切な書き込み等への早期対応に係る業務委託」
という事業を行っています。
平成22年度からスタートして、今年で5年目。
平成26年度の予算額は451万3,320円。
品川にある会社と随意契約を結んでいます。
この契約でいう「学校非公式サイト等」とは、「世田谷区立中学校が運営する公式サイトからリンクされていないサイトで区立中学校及び区立中学校の生徒に関する登校(書き込み)のあるサイト」という定義。
つまり”公式サイト以外に書き込まれている、区立中学校や、そこに通う生徒に関する書き込みを検索、抽出し、不適切な書き込みがあれば削除依頼をかける”、”削除依頼の対象になるもの以外でもリスクがあると判断した投稿は、全てとりまとめ学校に報告”、ということを世田区はやっています。
その事業を委託して、委託事業者に支払う費用は年間451万3,320円。

ちなみに平成25年度の委託事業の結果をみると、一年間で削除依頼をかけた書き込みは2件。
ある区立中学校の生徒がメールアドレスをネット上で公表していたので、(書き込んだ本人に)削除依頼をしたというものでした。
削除依頼件数は2件となっていますが、本件は同生徒による一つの書き込みが2つのサイトに反映されていたということらしいので、実質的には要削除の書き込みは、年間で1件のみと考えていいでしょう。
果たして、中学生がネット上にメールアドレスを公開することが”不適切”なのかどうか。
(私はそれ自体は悪い事と思えません)
そして、そういったことを”パトロールする”ために、毎年450万円のお金をかけることが妥当なのかどうか。
委託事業者が、競争入札ではなく随意契約で選ばれている点も気になります。
ネット上でのいじめなど、生徒間のトラブルは、委託事業者が検索できない領域(LINEやカカオトークなどのコミュニケーションアプリ)で発生しがちだとも聞きます。
検索によるパトロールよりも、ネット利用について、何が危険な行為なのか、どういう事がトラブルを招くのか、そういったことを生徒に教育することにこそお金や時間を割くべきではないでしょうか。
こういったことについても、引き続き精査をしていきたいと思います。

世田谷区では中学校で「ネットリテラシー講座」も行なっています。
そのお話は、別途ブログでお伝えします。
 

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