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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2025-06-17

「学校協議会は当初の役割を終えている」とは。担い手の方々の意見を聞かず区が出した結論です。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

本日のブログは先の区議会一般質問より。

世田谷区の区立小中学校で検討されている「(仮称)学校運営協議会」についてです。

質問の様子は以下の動画でご覧ください。

こちらは約2分半にまとめたショートバージョン。

こちらはより詳しく5分20秒バージョン。

質問と答弁の全編動画は世田谷区議会のサイト(令和7年6月5日本会議)からご覧ください。

世田谷区の区立小中学校は、全て「地域運営学校」と位置付けられており、世田谷区は全国に先駆けて、学校と地域の連携を大事にしてきました。学校が地域の中核になりコミュニティを醸成していこうという思いもあったわけです。

ところが、本年5月21日の文教委員会にて「今後の区立小中学校地域運営学校を支える仕組みの考え方について」の報告があり、それは端的に言えば、地域運営学校の枠組みである学校運営委員会、学校支援地域本部、学校協議会を「(仮称)学校運営協議会」に一本化するとの内容でした。

区は、この新たな仕組みの考え方をまとめるにあたり、全区立小中学校にアンケートを行い、校長、副校長らが答えた結果等から「学校協議会は当初の役割を終えている」と結論づけ、委員会資料に明記しました。

「役割を終えている」ですか。

しかし、これは、これまで学校協議会に参画してこられた、まさに地域運営学校の担い手の方々の意見を聞かずに、区が出した結論。本来ならば、これまで共に活動してきた地域の方々の意見も踏まえて、新たな考え方を打ち出すべきでは。

前述のアンケート結果を確認しましたが、学校協議会を設置している学校は全体の約6割、「学校協議会の活動は学校教育に生かされている」「どちらかといえば生かされている」の答えは合わせて約6割と、学校協議会が現状うまく機能している学校も少なくないのです。

これらの学校も含め全校で各組織を一本化して良いのかという疑問も感じます。こうしたことを進め果たして、今後地域との連携が後退することはないでしょうか。

近年、児童生徒の保護者を含む地域の方々から、学校行事がなくなったり縮小されたりしているという話を聞きます。現在、区教委が「教員の労働時間の削減」に取り組んでいることはもちろん承知していますが、それは本来、必要な人員配置をし、ICT化などで非効率な仕事を効率化することで達成していく課題でしょう。

「(仮称)学校運営協議会」への一本化は、教員の労働時間削減ありきの取り組みになってはいないかと危惧します。

今回の質疑に対して区側の答弁は、大まかにいうと「今後、様々なご意見を聞いて検討を進める」という内容で、何も言い切ることはありませんでした。

しかし、行政が一旦方向性を示した場合、それが大きく変わることは非常に稀です(だからこそ、早い段階で関係者の声を丁寧に聞くべきと思うわけですが)。今後の区の「地域運営学校」としての動きをしっかり確認していこうと思います。

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