がん治療に伴い、脱毛や乳房の切除などにより、ウィッグや胸部補整具等が必要な方に。ウィッグや人工乳房・補整下着・弾性着衣の費用助成が始まります。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区にて「ウィッグ・胸部補整具購入費用等助成事業」が始まります(7/27の福祉保健委員会にて区側より報告あり)。
がんやがん治療により、脱毛、肌色の変化、皮疹、爪の変化、手術跡、部分欠損などで、外見に変化がおこることがあります。外見が変化することで、他人との関わりを避けたくなったり、外出をしたくなくなったりと、今まで通りの生活が送りにくくなる人がいます。
こうした、がんやがん治療による外見の変化に悩む方への支援をアピアランス支援と言いますが、桃野が、区はアピアランス支援に取り組むべきだとの趣旨で議会で取り上げたのが、もう6年ほど前になります。
以下、平成30年6月14日世田谷区議会本会議、桃野の一般質問より一部抜粋(太字は筆者強調)。
平成三十年三月閣議決定、がん対策推進基本計画第三期では、がん患者の就労支援のみならず、治療に伴う外見の変化、生殖機能の喪失などへの対策も求められているとしています。治療により脱毛が伴う方や乳房を切除された方が、外見の変化から感じる心理的負担を緩和する取り組みが必要です。
港区では、ウイッグや補整下着、シリコンパッド等の胸部補整具の購入費用に助成を行っています。また、同様の助成制度が横浜市、栃木市、大和市、湖南市、能代市、伊万里市、鳥取県、山形県にあります。我が区でも助成制度を導入すべきです。区の見解を伺います。
当時の区側(世田谷保健所長)の答弁は以下でした。
私からは、がん患者への支援について、助成制度導入につきお答えします。
医療の進歩等により、がんに罹患しつつも社会で活躍する方はふえております。国が平成三十年三月に策定したがん対策推進基本計画第三期では、がん患者ががんとともに生きていくためには、就労支援のみならず、治療に伴う外見の変化や、がん患者の自殺等の社会的課題への対策の必要性が示されております。区におきましては、がん患者等の不安を和らげ、地域で自分らしい暮らしを続けることができる取り組みを拡充することを課題と捉え、平成二十九年三月に改定した健康せたがやプラン(第二次)後期では、思春期・若年成人世代のがん患者に対する支援の検討などを掲げ、昨年度より検討に着手したところでございます。
お話にありました港区同様の助成制度の導入につきましては、国や近隣自治体等の動向等も見きわめながら、効果なども含め検討を継続してまいります。
世田谷区では、桃野の提言内容については、課題としての認識を示していますが、助成制度については、いわば他の自治体での施策を「様子見」するといった内容の消極的な答弁でした。
あれから6年。ようやく世田谷区でも助成制度や、アピアランス支援の視点を取り入れたがん相談事業の充実に取り組むことになりました。
◾️ウィッグ・胸部補整具購入費用等助成事業
・制度の概要
対象者 :がんの治療に伴い、脱毛や乳房の切除などにより、ウィッグや胸部補 整具等が必要である方
助成対象品:ウィッグ(装着用ネット含む)・毛付き帽子 人工乳房・補整下着・弾性着衣
助成金額 :助成対象品の購入またはレンタルにかかった費用(上限10万円) ※一人につき2回まで申請可。
申請期限 :助成対象品を購入またはレンタルした日から1年以内 ※ただし、令和5年4月1日以降に購入・レンタルしたものが対象。
・実施時期
令和5年10月より「ウィッグ・胸部補整具購入費用等助成事業」を開始。なお、「ウィッグ・胸部補整具購入費用等助成事業」による費用助成については、都補助事業の開始時期(※)に合わせて、令和5年4月1日以降に購入・レンタルしたものが助成対象。
◾️以下、世田谷区のがん相談の窓口です。この相談窓口においては、医療的な相談など、 区のがん相談だけでは解決することができない事例について、国立がん研究センターの「アピアランス支援センター」と連携して相談支援にあたる体制が整備されます。
【「がん相談」「がん情報コーナー」一人で悩まずご相談ください】(世田谷区のサイト)
上記、事業については、9月議会で補正予算が可決されることが実施の前提です。可決されれば、10月1日号の区のお知らせ「せたがや」、並びに同時期の世田谷区のサイトで詳細が公表されます。
(※)令和5年4月1日から開始される東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業における「がん患者へのアピアランスケア支援事業」を活用。補助率 1/2。
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