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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2021-11-01

衆議院選挙の結果に思う。「野党共闘」で野党第一党立憲民主党はどうなる?自民党は議席減とは言え単独で「絶対安定多数」を確保。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

昨日(10/31)は衆議院選挙の投開票日で、今日(11/1)未明には結果の大勢が判明しました。

自民党は議席を減らしたとは言え、261議席と単独で「絶対安定多数」を確保。衆院に17ある常任委員会の委員長ポストを独占し、委員会で過半数の委員を確保できる状況となります。自民党議員の賛成だけで法案を可決できるのですから、これは自民党にとってはまずまずの結果と言っていいでしょう。

とはいえ、自民党は議席を減らしたわけです。その議席はどこへ行ったのでしょうか。野党第一党の立憲民主党がその受け皿になることはできませんでした。

立憲民主党は、公示前の110議席から96議席と14議席減。野党第一党となることが目標ではなかったでしょうから、「選挙を経て、一歩政権奪取に近づいた」という数字でなければ敗北ということになるでしょう。

前回の衆議院選挙の後、野党の議員は「野党候補者の票を足し合わせれば、自民党候補者の票を上回る選挙区がたくさんある。野党の候補者を一本化できれば自民党候補者の多くを倒せる!」という論調を打ち出す事が多かったですし、マスメディアも自民党批判の観点としてそれを持ち出すことが多かったように記憶しています。

そして、今回の選挙では289ある小選挙区のうち、213の選挙区で立憲民主党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党の5党が候補者を一本化して「野党統一候補」を自民党候補者にぶつける戦略を取りました。ところが結果は、そのうち野党統一候補が勝ったのは3割程度。

この結果を見て「野党共闘は失敗」と言えるかどうかは分かりません。共闘してなかったらもっと負けたのかもしれませんから。「たられば」のことを言っても仕方ありません。でも「野党共闘は失敗」かどうかは不明ながらも、自民党単独で絶対安定多数を許したという点では「野党共闘側が敗北した」と評価して間違いないでしょう。

ではなぜ、野党共闘側が敗北したのか。

桃野は政党に属さない無所属の区議会議員であり、自民党にも野党共闘にも肩入れする立場ではありませんが、選挙結果を見て感じたのは「国民は、今回の野党共闘で成立する政権像にリアリティが持てなかったのでは」という事。

桃野の地元は衆議院選挙の選挙区でいうと東京6区。ここは立憲民主党の落合貴之さんが小選挙区で自民党の越智隆雄さんを破りました。

落合貴之さん(立憲民主党):約11万票で小選挙区勝利。当選

越智隆雄さん(自民党):約10.5万票で小選挙区敗北。比例にて当選

碓井梨恵さん(日本維新の会):約5.9万票で小選挙区敗北

前述の「たられば」の逆もまた然りで、ここで共産党の候補者が出ていれば落合さんが負け、越智さんが勝ったかと言えばそれは分かりません。でも、過去の東京6区の衆議院選挙では、共産党候補者が立った場合、大体2万票程度を獲得することが多いですから、選挙をしている方からすれば足し算をしてしまいますよね。

仮に全国で野党共闘側の候補者が多く当選して、その後政権を担うことになれば、共産党の支持者も含む得票で、いや足し算からすれば共産党支持者の票があったからこそ選挙で勝ったということですから、共産党の政策を織り込んだ政策が実行される政権が生まれます。

共産党の支持者にとってはそれで良い話ですが、そうでない多数の人々にとっては、「そうなれば共産党の参加する政権ってどんなものなのか想像できない」という気持ちでは無いでしょうか。

国民が共産党に期待するのは「政権が何か悪いことをやった時に厳しく追及してくれる」「政権がおかしなことをやっていたらそれを暴いてくれる」などの、確固たる批判勢力としての役割ではないかと思うのです。桃野も共産党のそうした能力には期待をする一人です。では、自民党に代わる政権の一翼(閣外協力という形であっても)を共産党に担って欲しいかといえば正直それは、求めてない。

現政権とは別に政権を担える政治勢力がある事は必要。野党は与党に対して政権を奪われるかもしれないという緊張感を与えてこその存在です。だからこそ多くの国民は、野党共闘に「政権を担う事ができる」というリアリティを感じないと投票しないのではないかと思うのです。

共産党は、これまで天皇制打破を主張してきました(今は天皇制をなくさないと共産党の掲げる改革ができないということはない、という程度にソフトになっています)。自衛隊は無くすべき存在と位置付け、日米安保は破棄すべきとしています。これを多くの国民が支持できるのかということ。

共産党が日本の政治の中で存在感を発揮する場面はあるでしょう。しかし、上記のような共産党の考え方を「政権の一翼を担う政党」として認める国民は多くない。

政権奪取を狙う野党第一党たる政党は、国民が政権担当者として認めるに足るリアリティを語るべきだし、リアリティの無い政策は堂々と否定、批判すべき。その上で成立する共闘なら国民もわかりやすいのではないでしょうか。

残念ながら、今回の選挙での「野党共闘」はそうではなかったと感じます。

■写真は桃野の世田谷区議会議員選挙の際のもの。政党に属さない無所属の立場で頑張っております。

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