ようやく報じるメディアが出てきたかという印象。世田谷区長肝煎りの「社会的検査」なるものは現場(高齢者施設等)のニーズからも大きく離れている。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区長肝煎りの新型コロナ対策である「社会的検査」なるもの。
区内の高齢者施設等をローラーをかけるようにPCR検査をするとの施策です。でも検査は予防や治療ではありません。あくまで検査。一回こっきりずつ検査して回ることに何の意味があるのでしょう。それも数億円規模の予算をかけて。中には2回目の検査を受ける施設もありますが、それでも検査と検査の間隔は数ヶ月間ありますので、区長がこの施策の目的としている「無症状感染者をいち早く見つけ出し、集団から隔離する」とも全く合致しません。
こちらは過去ブログ。
【PCR検査は治療や予防ではない。「検査は適切な頻度、間隔を設定しなければダメだ」と何回言ってもわからない世田谷区長】
要は、区長のいう「社会的検査」なるものは、医学的根拠、合理的根拠のない施策。区長が「やってる感」を出したいがために、効果のない施策に対して数億円単位のお金を使っているということ。
桃野はこれまでこんなおかしな施策はやめて、高齢者施策等の施設内での感染防止策に、直接的に施策・予算を投じるべきと対案(予算の組み替え動議)も出して議会で訴えてきました。
これまで区長が「社会的検査」を呼び掛けても区内の施設の多くは受検していないし、尚且つ数少ない受検した施設の中で、検査で1人でも陽性者が出た施設は二度と検査を受けていないということも指摘してきました。
上記の動画を見ていただければわかりますが、3月29日の本会議で桃野は以下述べました。
区の資料を見ると3月8日時点で、一度でも定期検査を受けたのは対象者の3割程度にとどまります。そしてこれは担当所管に確認済みですが、これまで検査で1人でも陽性者が出た施設の中で二度目の検査を受ける意思を示した施設は一つもありません。
桃野はこれまで一貫して議会で「この施策は実効性がないし、そもそも医学的根拠、合理的根拠がない。別の施策に方向転換すべきだ」と指摘をし続けていますが、区長はこれに対抗するかのように、マスメディアを利用し、この「社会的検査」が、さもうまく行っているかのように喧伝を続けてきました。
ところが、本日の読売新聞にこの「社会的検査」なるものが全くうまく行ってない、というその実態がよくわかる記事が掲載されていました。桃野がこれまで指摘してきたことが、紙面を通じて多くの方に伝わったのではないでしょうか。
今朝の読売新聞から。保坂区長肝いりの「社会的検査」の本質が分かる良い記事。各高齢者施設等からも支持されてない施策ということ。区長はもういい加減に意地になるのをやめて方向転換すべき。これ以上税金のムダ遣いはやめ医学的、合理的根拠に基づいたコロナ対策を!https://t.co/i97GIsANrk
— 桃野芳文(世田谷区議会議員) (@momono4423) April 3, 2021
以下、本日(2021.04.03)の読売新聞より要点を抜粋
・世田谷区が行っている介護職員らを対象にした新型コロナウイルスの一斉PCR検査の受検率が26%にとどまっている。
・区は昨年10月に一斉PCR検査を始めた。検査は無料。
・対象の1500施設のうち、検査を受けたのは403施設のみ。特別養護老人ホームなど高齢者の入所施設に限っても、225施設のうち受検したのは115施設で、51%にとどまっている。
・検査を受けた403施設のうち、陽性者が出た11施設は、いずれもその後、2回目の検査を受けていない。
この社会的検査なるものが、そもそも新型コロナ感染症対策として効果のない施策ではありますが、現場である各施設の多くで、社会的検査なるものに対するニーズがないこともよくわかります。
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