日本版DBS。子どもを守り、一部の性犯罪者が全体の評価を損ねる事態も防げるのでは。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日の朝日新聞で記事になっていました。教員らの性犯罪を防ぐためにイギリスで導入されている「DBS制度」。教職員や保育士、ベビーシッターなど子どもに関わる仕事に就く人に「無犯罪証明書」の提出を義務づける制度です。DBSは「Disclosure and Barring Servise)。
【教員らの性犯罪、防ぐ求職制度 「無犯罪」証明するDBS、日本版求める声】(2020.12.21朝日新聞)
イギリスで導入されているDBSは、子どもや障がい者らに関わる仕事の雇用主が休職者に対し、過去の犯罪履歴が無いことを記した証明書の提出を義務付ける仕組みです。例えば、過去に子どもに対する性犯罪を犯した人物は保育士や教師などの職には就けないということになるでしょう。
一方、日本ではどうでしょうか。
過去にこんな事件がありました。区立小学校に務める教師が痴漢行為を働き逮捕、後に懲戒免職となったのですが、実はこの教師は過去にも痴漢行為で懲戒免職を受けていたにも関わらず、この事実を世田谷区は把握していなかったというのです。今の仕組みでは私立小学校に務めていた教師が性犯罪を犯して逮捕され職を追われたり、東京都以外の他の都道府県の学校に務めていた教師が性犯罪を犯して逮捕され職を追われたりしても、その履歴は東京都で教師として採用される際には明らかになりません。
以下、参考ブログ↓
【世田谷区立小学校の教師が痴漢で逮捕。この教師は過去にも痴漢で懲戒免職。そして世田谷区は保護者に対して嘘の説明】
果たしてこれで良いのでしょうか。もちろん犯罪を犯したらその後の人生はやり直しができない、更生をして生き直す機会が与えられない社会というのは好ましく無いでしょう。しかし例えば子どもに対する性犯罪を犯した人物が、簡単に教育者として子どもと接する仕事に復帰することが適当でしょうか。桃野はそうは思いません。
このDBSについては、これまで日本でも同様の制度を求める声が上がっていました。こちらは認定NPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんのツイート。
子どもへの性犯罪を防ぐ仕組みを創るために、動き回っています。
動いて分かったのは、子どもへの性犯罪の深刻さが、まだまだ政治には伝わっていない、ということ。
声を届け続けねば。
:橋本聖子内閣府特命担当大臣に「日本版DBS」創出を直接陳情!|駒崎弘樹 https://t.co/wX0pgCjQbH
— 駒崎弘樹 ( Hiroki Komazaki )@看護師募集中 (@Hiroki_Komazaki) August 4, 2020
上記朝日新聞の記事では「世田谷区子ども・子育て会議委員」を務める普光院亜紀さん(保育園を考える親の会代表)も日本版DBSの導入を求めてきた一人だと紹介されています。又「小児性愛者に犯罪を起こさせない為には子どものそばに近づけないことが大切」「日本にDBS精度があれば心当たりがある人はそもそも子どもに関わる仕事に応募しなくなる。再犯を防ぐ効果があり本人の為にもなる」とのコメントが紹介されていました。桃野もこれは良い制度だと思います。子どもを守る効果とともに、一部の性犯罪者によって子どもに関わる仕事に就く方々全体への評価を損ねる事態を防ぐことにもつながるのでは無いでしょうか。
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