区立保育園で「不適切な保育」。ドリバン事件で区長が「体罰の手前」と言ったことを思い出す。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
昨日(12/5)、朝日新聞に掲載のニュース。世田谷区の区立保育園で保育士が行っていた行為についてです。
区立保育園の保育士(=区職員)による事件。記事には出てないが、”行動がゆっくりの子に「まだ終わってなかったのか」と言いながら頭の上に音がするぐらい両手を振り下ろして当てた”という行為もあった。これ、つまり「殴った」だと思うが役所はこういう表現にしてしまう。怒。 https://t.co/bCAhmi7Dcw
— 桃野芳文(世田谷区議会議員) (@momono4423) December 5, 2020
この事件は、先の区議会福祉保健委員会でも報告されているのですが、先ず区側の「表現」に違和感を持ちます。新聞記事の見出しにもなっていますが、区はこれを「不適切な保育」としていますが、暴力、虐待、もしくはいじめというべきものではないでしょうか。
以前、区の教育イベントで、講師のジャズミュージシャンが中学生に対して公演中、聴衆の面前で「髪の毛を掴んで頭を振り回し、往復ビンタを繰り出す」という行為をした際、保坂世田谷区長はこの行為を「体罰の一歩手前」「暴力、体罰というものではない」という姿勢を最後まで押し通したことがありました。
参考ブログ【保坂区長の体罰容認論。「区長が本当にそんなこと言ったの?」という方は、この動画(区長記者会見)をご覧下さい。】(2017.09.12 桃野ブログ)
今回の事件も根っこは同じではないでしょうか。区立保育園の保育士(つまり区の職員)という身内が起こした事件について、表現を調整することで「大した事件ではない」という空気を作ろうとする姿勢。区長以下、区幹部職員から現場まで、そのような姿勢が共有されているようにも思われてなりません。
今回の朝日新聞の記事でも「複数回」と記されていますが、子どもに”不適切な行為”を繰り返すような保育士に対して他の保育士、特に上司に当たる園長は、これまでどのように接してきたのでしょうか。区がこの保育士の行為について調査を始めたのは外部からの情報提供がきっかけであり、園から区への自発的な報告ではありません。
ことは子どもの安全に関わることです。区は本件について「身内に甘い」という批判を受けることなどないように、該当の保育士への対応、今後の再発防止策などを実施し、その内容を公表しなければなりません。
以下は、前回(12月1日)の福祉保健委員会で報告された保育士の「不適切な行為」。いずれも区の表現そのままですがわかりづらい。特に2は明確に書くならば「両手で頭を殴った」ということではないかと思います。
■
1.午睡の際、寝入りばなの子どもに、二つ折りにした敷布団を、上半身に落とす行為をした。
2.食事の片付けの時、行動がゆっくりの子に「まだ終わってなかったのか」と言いながら、頭の上に音がするくらい両手を振り下ろして当てた。
3.次の通り、乱暴な言葉を使用した。
・食事の準備の時、座ってない子どもに「何回も言ってんだろ」と言った。
・着替えをしていたが手間どっていた子に「何でこんなことも分かんねえんだ」と言った。
4.食事の際、泣いてしまった子どもを隣室に1人にした。
5.食事の際、飲み込めなくても口から出してはいけないと強く指導した。
6.おやつを食べなかった子どもの指導で、泣いていた子どもを年齢より下のクラスに連れて行った。
7.トイレやトイレットペーパーでいたずらを2日続けた子どもに対し、オムツを使用してないのに「トイレを使えないやつはオムツで寝かせるぞ」と言った。
8.午睡の際、おでこに消しゴムを置いて動けないようにして寝かせる行為をした。
9.午睡の際、幼児クラスで視界をふさぐように子どもの顔にバスタオルをかぶせた。
【写真は世田谷区役所】
コメントを残す