「Go Toトラベル」は、国民のためにでなく、自分たちに献金してくれる人達のために?
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
新型コロナウイルス対策としての観光支援事業「G o To トラベル」。コロナで落ち込んだ景気を回復させようということなのでしょう。国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を国が支援します。 一人一泊あたり2万円が上限(日帰り旅行については、1万円が上限)で、 連泊制限や利用回数の制限なし。これはもちろん国民の税金を使って行われる施策です。
ところが、東京発着を急遽除外したり、既に東京発着の旅行を計画していた人のキャンセル料の扱いについて突然対応が変わったりとケチがつきまくりの状態。
桃野は旅行自体がコロナを広げるわけではない(あくまで三密などの条件次第)と思いますが、それでも大人数の旅行はダメだとか、ワイワイガヤガヤ話しながらの食事や宴会はダメだとか言われる中での旅行なんて。それが産業振興策として効果的なの?桃野は、このタイミングでこの施策を税金を投入してやることについて、大いに違和感を感じています。
今朝(7/20)の東京新聞一面で記事になっていましたが、共同通信社が17~19日に実施した全国電話世論調査では「GoToトラベル」は「全面延期すべきだった」の回答が62.7%。「(東京以外の)他に感染が拡大する地域も除外」が17.0%、「適切」が14.0%、「予定通り実施」が4.6%の結果だったよう。国民の多くがこの施策を支持してないということですね。
【「GoTo全面延期」62% 共同通信世論調査】(東京新聞)
さて、国民の思いとは離れて実施が決まった「G o To トラベル」。その裏ではこんなことが起きていたという話。
【Go Toキャンペーン受託団体が二階幹事長らに4200万円献金】(文春オンライン)
「Go Toトラベルキャンペーン」事業を1,895億円で受託したのは「ツーリズム産業共同提案体」なる団体。この「共同提案体」に名を連ねる観光関連の14団体から、自民党幹事長の二階俊博氏をはじめ自民党の議員37名に対し、少なくとも約4200万円の献金が行われていることが「週刊文春」の取材で分かった。
(引用以上)
こういう話が出てきて思うのは、企業団体献金によって「今なすべき施策」が歪められているのではないかということ。今この時期のGo Toトラベルであっても、多額の献金をもらっている企業団体の頼みだから断れない、断れないどころかその企業団体のために嬉々として働くなんてことが起こるのではないか。
1995年に施行された改正政治資金規正法は政治家への企業団体献金を禁止する代わりに税金から政党交付金を支払いましょうと決めた法律です。しかしその立法趣旨は法律をつくった国会議員たち自身が無視しています。政治家個人への献金は禁止したものの政党への献金はOK とし、これにより政治家個人が代表を務める政党支部が、政治家の企業団体献金の受け皿になりました。いわゆる裏道を残しているんですね。そして、その「恩恵」を受けているのが政権与党たる自民党という状態。
Go Toトラベルが施策として妥当なのかどうかの物差しが「国民のために」でなく「自分たちに献金してくれる人たちのために」となってしまうとしたら、これはとんでもない事。
国会議員の皆さんは、政治資金規正法改正の立法趣旨に立ち返り、実効性のある「企業団体献金の禁止」を具現化すべきです。
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