文京区で「こども宅食」の取り組みがスタート。この取り組みに見る「新たな着眼点」。これは大きな可能性を感じます。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
今日も新聞やテレビで、陸上自衛隊の「日報隠し」問題(稲田防衛大臣が隠蔽に加担していたのではないかとの疑惑)、加計学園問題(獣医学部新設はやはり出来レースだったのではないかとの疑惑)が大きく報道されていますが・・・。
桃野が膝を打つ思いで新聞を読んでいたのはこのニュース。
【こども宅食 ふるさと納税で食料宅配 東京・文京区とNPO、ひとり親と子供らに】(毎日新聞より)
文京区で、2017年10月から、貧困世帯の子どもたちの家庭に食料を直接届ける「こども宅食」の取り組みがスタートするとのこと。文京区と認定NPO法人「フローレンス」など民間団体が、ふるさと納税で集まった寄付金を貧困対策に活用して、ひとり親世帯などに食料を届ける試みだそうです。
まず、こうした取り組みを「ふるさと納税」の仕組みの中でやるというのがいい。
過激な返礼品競争という「副作用」が顕在化して久しいふるさと納税。だけど「美味しいお肉が頂けてお得」というだけではなく、こうした「社会問題の解決」にこそお金を出したいという方もたくさんいると思うんです。
そもそも「子どもの貧困対策」は税金を投入してでも行うべき政策。それが寄付者にとっては節税効果、行政にとっては税金に変わる財源で実施。これなら「税収が返礼品に化けて目減りする」ということでなく、うまく凸凹揃ったお金の動きですよね。
そして、宅配、つまり家に届けるということがいい。福祉において大切なのは、行政側が対象者の課題に「たどり着く」ということ。
例えば、児童虐待の問題。先ずは公的機関が虐待行為が起きていることを「発見」し、子どもを引き離したり親を矯正したりしなくてはいけないのだけど、自ら「私、子ども虐待しているんです」と名乗り出てくる方は皆無。家庭というある種の密室の中で起こることに、行政がどう辿り着くのかというハードルがあるわけです。高齢者への支援、引きこもり、貧困・・・、これらも同じ。自ら行政に助けを求めてくる人は全体の一部でしかありません。
「子ども食堂」が最近、増えているようですが、何らかの理由で食事が満足に摂れない子どもが、どこまで「子ども食堂」に出て来てくれているかは、なかなか見えてこない部分もあるわけです。
その点、今回始まる「こども宅食」は、低所得世帯(児童扶養手当、就学援助受給世帯)にいる子どもたちの家に直接、食料を届けるのですから、そこで対象家族とまずはフェイストゥフェイスのコミュニケーションが始まるというメリットが大きい。ケースに応じて、貧困状態を解消するための行政のサポートも提案しやすいはず。
この事業、「子どもの貧困問題」への新たな処方箋として非常に大きな可能性を秘めた取り組みだと思います。世田谷区でもこうした仕組みを構築できないか。行政とともに考えたいと思います。
「こども宅食」や寄付についての詳細はこちらから。
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