世田谷区が「公益通報者」の名前を暴露し、東京地裁で賠償命令を受けたばかり。そして、今度は横浜市で・・・
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
「勤務先で組織ぐるみの不正を知ったら・・・」
もしあなたが、警察など公の機関に勤務先会社の不正を通報したとしても、あなたが通報したという事実は「秘密」として守られなければなりません。それが公益通報者保護制度の大前提。
ところが、世田谷区ではこの公益通報者(内部告発者)の情報を、世田谷保健所がベラベラと告発を受けた会社側に話すという事件が発生。裁判で区の違法行為が認定されて、賠償命令を受けるに至りました。
東京地裁の判決に対しては、なぜか世田谷区長が「(告発者の情報を漏らしたのは事実だが)違法行為ではない!」と専決処分で控訴しましたので、まだ裁判は続くのですが。(過去ブログ参照)
さて、今度は横浜市役所でも市職員が、公益通報者の名前を暴露するとんでもない事件が起きてしまいました。
【内部告発者名を企業側に漏洩 横浜市、産廃処理めぐり(朝日新聞デジタル)】
産業廃棄物の処理をめぐって、横浜市役所に寄せられた内部告発について、市職員が「告発された側の企業」に告発者名などの個人情報を暴露したということらしい。
横浜市の発表によると「企業は告発者名を把握していると市職員が誤解した」とのこと。まず誤解で済む話ではないし、仮に相手方企業が告発者名を把握していたとしても、それに確証を与えるような行為は厳に慎むべきは当然です。
世田谷区で起きた事件との類似点も多く、非常に気になる事件。
市民からの声(世田谷区の場合、区民からの声)に対して、その声の主の立場に思いを致さない。単に自分の担わなけばいけない「事務」を機械的にチャッチャと進めることのみ考える。役所における、そうした仕事との向き合い方に問題があるのではないか。
これまで世田谷区で起きた様々な事件を思うと、そのような課題があるように思えてなりません。
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