災害対策の視点を十分に盛り込んだ、(もちろん適切なコストで)、新たな庁舎が設計されることを祈るばかりです。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
熊本地震から一年が経過。
ここ数日、改めて関連のニュースが取り上げられていますが、今も尚、4万7,000人もの方々が仮設住宅などで避難生活を続けている状況ですね。
桃野も、改めて被災地の一刻も早い復旧復興を祈っております。
さて、これまで世田谷区の災害対策とも関連し、区民の皆さんにお話をしてきましたが、熊本地震では、役場や病院などの防災拠点自体が損壊し、使用不可能になるケースが相次ぎました。
【防災拠点、耐震遅れ 役所や病院使えず】(2016.04.16毎日新聞)
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熊本県宇土市の本庁舎は16日未明、コンクリート造り5階建ての4階の天井部分が崩れ、はりが落ちて大きくゆがんだ。1965年建造で、約10年前の耐震診断により震度6強に耐えられないと判定され、ようやく昨年、耐震改修計画を検討し始めたばかりだった。市担当者は「財政上の問題で改修が遅れた」と釈明する。
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同県益城町も古い庁舎だが耐震改修が済み、震度7に耐えられるはずだった。だが14日の前震で庁舎にひびが入ったり窓が開閉できなくなったりした。さらに16日の本震で電気がストップ。役場横に配備した電源車も倒れた。建物強度への懸念や電気が使えないことから、600人以上が避難する町保健福祉センターの児童館に災害対策本部を移し、約50平方メートルにシートを敷いて椅子と机を置いて災害対応に当たる。ある職員は「耐震補強をしたので、使えなくなるとは思わなかった」と話す。
(引用以上)
発災直後から、住民のためにフル回転しなければいけない地方自治体の拠点が利用不能になれば、住民を守り、復旧復興を推し進める活動に大きな支障が出るだろうことは想像に難くありません。
一方、これまで何度も議会で取り上げてきました「世田谷区役所庁舎問題」。
首都直下地震への万全の備えが求められる中ですが、世田谷区役所本庁舎及び世田谷区民会館は、築50年以上が経過し災害対策機能も不十分。桃野はこれまで、首都直下地震に備え、災害対策に特化した質実剛健な新庁舎が必要だと主張してきました。
一方、区長は「現庁舎は歴史的価値があり、残したい」と言い続ける一方で「では災害対策はどう進めるのか」ということに、何ら実質的な答えを出さず、対策を先延ばしてきました。
この問題における、区長の決断力の無さもあり世田谷区議会では「区政の停滞を招いている保坂展人区長に対し、区議の存在を軽視する言動を改めることを求める決議」が可決されるという前代未聞の出来事もありました。(過去ブログを参照下さい)
その後も様々な議論があり、区も「世田谷区本庁舎等設計者審査委員会」を設置して、有識者による議論の結果を待つなどしてきましたが、漸く、新庁舎の基本設計を決めるスケジュールが確定。
【世田谷区本庁舎等整備基本設計業務委託公募型プロポーザルの実施について】(世田谷区のサイト)
本庁舎等整備の基本設計業務について、設計者を決定する作業が始まりました。
参加表明書の受付締め切りは5月9日(火曜日)の午後3時。
一次審査、二次審査を経て、今年の10月には契約の締結となる予定。
これまで時間がかかりすぎたとは思っておりますが、漸くのスタートです。
災害対策の視点を十分に盛り込んだ、(もちろん適切なコストで)、新たな庁舎が設計されることを祈るばかりです。
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