「真面目に生きてきた私が、なんでこんな目に。神様はなんでこんなことをするの」そんなTさんがやがて・・・
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
毎年、この時期はそういうタイミングになってしまうのですが、区議会予算特別委員会の会期と区政レポートの発送タイミングが重なり忙しく走り回っております。
(区政レポートの発送作業はボランティアの方々にも多大な力をお借りしています。感謝!)
そんなタイミングですが、今晩は、楽しみにしていた千歳敬心苑(特別養護老人ホーム)の「実践報告会」に伺っていました。
日頃、高齢者の方々の介護に取り組む介護職の皆さんが、どういう気持ちで、どういう介護に取り組んでいるか。多くの聴衆の前で発表する場です。
近年相次ぐ施設での高齢者虐待事件、昨年は相模原市の知的障害者福祉施設で利用者19名の命が奪われるという凄惨な事件も起きてしまいました。
そんな時代の中で、介護の現場でいかに働くのか。
老い、様々な症状・病を抱える高齢者の方々を支える毎日ですが、その中で利用者の皆さんも、現場で働く皆さんも一人一人が輝くためには、どうすれば良いのか。みなさん知恵を絞り、汗を流されています。
今日の報告会でも、素晴らしい活動に触れることができました。
実例をひとつ。
長年連れ添った旦那さんが認知症を発症、介護の日々、そして死別。その後突如視力を失ってしまったある女性Tさん。
食事も入浴も排泄も支援が必要になりました。
「真面目に生きてきた私が、なんでこんな目に。神様はなんでこんなことをするの・・・」
介護職の方が話しかけても、Tさんが「生きていてもしょうがない」と言ったような絶望の言葉を口にする日々が続いたそうです。
介護職の方々は、Tさんに生きる希望を取り戻してもらおうと、新たな取り組みを始めます。
音楽(オーケストラ)鑑賞に連れ出し、外食。
外食も、いちいち人の支援が無くても自分のペースで食べられる丼物を一緒に食べたり、(目が見えずとも)店の雰囲気、匂い、音、温度などで楽しんでもらえるよう焼肉屋さんに行ったり。
Tさんはやがて、「目が見えなくなってから、見えるようになったものもある」とおっしゃっるようになったそうです。
「食事や入浴、排泄。単に生命を繋ぐために必要なことだけをやる」のは、介護ではないんだ。
そんなことを改めて”リアルに”感じる報告会でした。今日の報告会、参加させていただき、心より感謝です。
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