まだ未熟な心身の中高生(中学生は特に)に、部活動で過度な負担を与えるよりは、よほど教育的効果が高いのではないか。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
本日の朝刊より。
【中学部活 教員の負担減 〜手当て増額や休養日〜 】(読売新聞)
記事内容を要約すると、以下。
・政府は2018年1月から、公立中学校の教員が休日に部活動を指導した際の手当を¥3,000/日→¥3,600/日に引き上げる。
・手当引き上げは約3年ぶり。休日の部活指導は教員の負担が重く、手当引き上げと同時に、休日の部活動の実施状況も見直す。
・手当て引き上げには3億円の国庫負担が必要だが、17年度予算案では休日の部活動を減らす前提で増額していない。
・政府は休日に部活動の「休養日」を設けるよう全国の中学校に促す方針。
(記事要約ここまで)
これ、教員の負担ということもあるけど、基本的には「子どもの立場」で取り組んでもらいたい政策。文部科学省の諮問機関、中央教育審議会(中教審)は既に、学校外部の人間が部活動の指導や単独での引率を行うことができる「部活動指導員」の制度化を提言していますが、桃野はそれだと、中学校での教育の一環として行われている「部活動」の位置付けが変わってしまうのでないかという懸念も持ちます。
それなら、民間のスポーツクラブと同じ、という状態になりはしないかと。
部活動は、やはり学校での教育の一環として、教師が生徒と関わる場であってほしい。もちろん専門知識や競技経験を持つ外部の方々と共に取り組むことに異論はないけど、主体はあくまで生徒と教師。最終的に「部活動を通じた子どもの成長」というまさに「教育」に責任を持てるのは教育者である教師ではないだろうか。
さて、確かに教師が部活動に費やす時間や、負担感(特に自分が経験のない競技などを指導するとなると大変でしょう)の軽減も大きな課題だと思いますが、その課題解決の本筋はやはり活動時間の縮小ということではないかな。(子どもにとっても良いことだと思う)
ラグビー日本代表のキャプテンとして、先のワールドカップに臨み、世界屈指の強豪「スプリングボクス(南アフリカ代表)」を破る歴史的勝利を果たした立役者の一人、リーチマイケル選手は、先日、NHKの某番組で以下のように語っていました。
(注:リーチマイケル選手はニュージーランド出身、5歳の時にラグビーを始め、15歳で交換留学生として日本へ。現在は日本国籍を有している)
・ニュージーランドではラグビーの練習は3日/ 週だったが、日本では6日/週
・練習時間も、日本はニュージーランドの倍
・日本の練習をニュージーランドに持って行ったら、みんなラグビーやめちゃいますよ
ニュージーランド。その代表は「オールブラックス」の愛称で知られ、世界中のラグビーファンが世界最強と認めるラグビー王国ですが、そこから来たラガーマンが日本の高校の部活動の激しい練習に驚いたと言います。
中学生や高校生、10代前半から後半の時期というのは心身ともに大きく成長する時期。しかし肉体的に、過度な負担は将来の競技生活にマイナスとなる肉体的な因子(怪我、アンバランスな成長など)を身につけてしまうことにもなり兼ねません。中高生のスポーツは選手たちが「もうちょっとやりたい」と心の渇きを感じるぐらいで丁度いいんじゃないかな。
まだ未熟な心身を持つ中高生(中学生は特に)に対して、部活動で過度な負担を与えるよりは、他の活動も含めたバランスのとれた生活を促した方が、よほど教育的効果が高いのではないかと思うのです。
■写真はあまり関係ありませんが、先日首都リーグOBチームで試合出場した際の写真
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