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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2016-12-07

「多忙」と「多忙感」の意味の違い。世田谷区長はこれをしっかり理解して事務改善の取り組んでもらいたい。

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
昨日のブログでもご報告しましたが、本日閉会した世田谷区議会定例会に、世田谷区立小中学校の学校給食費を「公会計化」する条例が提出されていました。
採決は本日。全会一致で賛成で可決されました。全会一致ですので、桃野ももちろん賛成。
給食費の公会計化については、反対するものではありません。
しかし、これまで指摘してきたように、今回の条例に諸手を挙げて賛成というわけでもないんですよね。
ということで、本日は採決の前に壇上で「意見」を申し上げました。
以下に要約版でブログでもご報告いたします。

 この条例は、学校給食費を公会計化するためのものであり、保坂区長が先般の招集挨拶で述べた言葉を引用すれば、「教職員の多忙感を軽減することを目標に条例を改正する」とのことです。
 我が会派は給食費の公会計化自体に反対するものではありませんが、これまで一貫して、その費用対効果を明確にした上で取り組むべき、との考えを示してきました。
 公会計化に伴い、システム関連経費などで平成28年度・平成29年度に5,000万円、平成30年度以降は毎年1,650万円の費用がかかることが区から示されています。その一方で、その費用をかけて、教職員の事務負担がいかほど軽減されるのかについては、区から定量的なものは未だ示されていません。
 先の本会議で区長は「教員が子供としっかり関わる時間が中々もちづらい、正に多忙であります。多忙であるが故に多忙感という風に申し上げました」と答弁をしました。自称教育ジャーナリストでもある区長は「多忙」と「多忙感」をほぼ同じ意味と理解しているようですから、教職員が学校現場で直面している「多忙感問題」についても、正しく理解されていないようです。
 一方、区長答弁の直後、教育次長は、このように答弁しています。
 「文部科学省は忙しさと多忙感は別であると分析している。教員は、本来業務であれば忙しくても多忙感、負担感は少ないが、それ以外の調査モノ、給食費の滞納整理といった業務については、多忙感、負担感は大きい
 つまり、ここでは「多忙」と「多忙感」は明確に区別されているのです。教育次長の言う「教員の多忙感」の軽減は大きな課題でしょう。この課題の解決のためには「学校事務職員の適正配置、つまり大きな学校に学校事務職員が少なく、逆に小さな学校に学校事務職員が多いという現状を改めること」や、「現在曖昧となっている事務職員の職務の範囲を適切に定めること」は、効果があるはずです。これらの改善策は、我が会派から何度も指摘してきたにも関わらず、未だ手付かずのままです。早々に手を打つべきだと改めて申し上げておきます。
 世田谷区教育委員会は「平成26年3月 第二次教育ビジョン第一期行動計画」の中で「教員が子どもとかかわる時間の拡充」を進めるとし、そのための取り組みついて、11月29日の桃野の一般質問にて、教育政策部長は「この取り組みは教員や事務職員の事務を大きく変える行政改革となります」と答弁しています。この答弁は今後の取り組みにおける区の意気込みを示したものでしょう。当方も、その答弁を重く受けとめております。
 我々の会派としても、教員が本来業務に注力しやすいよう環境を整えることについては賛成です。しかし、今回の給食費公会計化については、システム導入などに要する多額の費用に見合う最善の効果が生み出されるのかという点において、区の説明は不十分であり、今後の検証が不可欠であると考えます。給食費の公会計化も含めた事務改善の取り組みが、意図された目的をどの程度達成しているのか、今後、不断の検証が必要です。以上のことを申し述べ、賛成意見とします。

「意見」を述べている動画は世田谷区議会のサイトよりご覧いただけます。
(26分50秒まで早送りすると、桃野の登壇部分となります)
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