「将来の夢がない」と答えた小学5年生の割合は、親の所得が低いほど多かった、という事実
本日より、平成27年度第3回世田谷区議会定例会がスタートしております。
午後には、会派を代表しての「代表質問」。
大庭幹事長が登壇しました。
代表質問では、いくつのテーマをとりあげましたが、その一つが「子どもの貧困」について。
岩波新書「子どもの貧困」(阿部彩著)に、”「将来の夢がない」と答えた小学5年生の割合は、親の所得が低いほど多かった”という調査結果が示されています。これは、貧困と「将来の夢」との関連性を指摘しているわけですが、あわせて同書では、特に世帯所得が200万円以下が分かれ道だとしています。
さて、世田谷区の世帯所得の状況はどうなっているでしょうか。
(世田谷区では平成25年度に実施した「こども・子育て支援事業計画ニーズ調査」では200万円ではなく世帯収入300万円で区切っています)
世帯収入が300万円以下は就学前児童世帯で調査世帯全体の6%。
1000万円から1500万円未満が21%。
そして500万円から700万円未満が19%と続きます。
(ちなみに一番多い世帯収入層は700万円から1000万未満で26%)
この調査結果に付け加えて記すと、厚生労働省の「全国母子世帯等調査結果報告」をみると、ひとり親世帯、なかでも母子世帯に貧困世帯が多いことは明らか。
貧困、そしてひとり親世帯。
ここへの支援策は一つの解決策につながると考えていいでしょう。
もちろん「子どもの貧困」は、一面的な捉え方のみで解決できるとは思いませんが、区長の言う「自己肯定感」の弱い子どもとは、「子どもの貧困」、すなわち、先ずは「親の貧困」にターゲットを絞って考えて良い問題ではないかと我々の会派は考えています。
今日の代表質問で取り上げたのは、先ず区長は、具体的に、一番効果がありそうな所から取り組み、前に進めるべきということ。
前に進めようとしなければ、それは「単なる評論家」ということなります。
そこで、区長に具体的に提言したのは東京都から「児童相談所」とその権限・財源の移管を迫るべきだ、ということ。
そして、世田谷区の現状に則した、新たな「児童相談所」をつくりあげるべきです。
児童相談所が果たすべき役割の中には、子どもをとりまく貧困や暴力、低学力、夫婦、親子をめぐる様々な問題があります。
これらの問題は、子どもが自ら有効な手など打てないことが大半でしょう。
これからの人生を充実したものにするためには、人生の始まりの部分で、公共が手を差し伸べていかねばなりません。
区長の大看板である「若者対策」の本当の主役は児童相談所を区に移管させることに始まり、初めて見えてくるのではないでしょうか。
本日の区長からの答弁は概ね前向きなものではありました。
「東京都に児童相談所の移管を働きかけて行く」と。
今後は、区長を先頭とした区の”本気”を注視したいと思います。
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