ストーカーやDVから逃れるため、個人情報の取り扱いに配慮を申し出る事ができます
世田谷区議会は現在、予算委員会の会期中です。
桃野は、先ず10日(月)に質疑を行いましたので、その内容からご報告。
テーマは「支援措置」について。
2012年11月、神奈川県逗子市の自宅で当時30代の女性が刃物で刺され、命を落としました。
警察の発表によると、犯人は元交際相手の男で、女性を殺害後、被害者宅で首をつって自殺をしたということです。
この事件は「逗子ストーカー殺人事件」と呼ばれ、新聞・テレビ等で大きく報道されました。
逗子市は、元・交際相手に転居先の住所が知られることを恐れた被害女性から要請を受け、この女性の個人情報の閲覧に制限をかけていました。
しかし、逗子市役所の男性職員が「犯人から依頼を受けた探偵に、被害女性の個人情報を伝えた」として後に、この職員は停職1カ月の懲戒処分を受けています。
ちなみに、報道によると、この男性職員は情報の流出について「記憶にない」と話しているそうです。
世田谷区にも、様々な事情から、役所に個人情報に特別の配慮を申し出る方はいらっしゃるのですが、現在その数は900人超。(いわゆる「支援措置」)
しかし、一方で世田谷区では「こういった事情を抱える区民の方々を適切に守ることができているのか」という事件が起きてしまいました。
それは、2014年1月31日のこと(最近です)、かねてより「待ち伏せされ暴力を受ける」などのトラブルを警察に相談していた世田谷区民Aさんが、住民票の閲覧制限(支援措置)について太子堂出張所に相談するも「そういう制度は無い」と門前払いされる。
窓口での対応にて「制度が無い」と言われ、Aさんは、他の職員も含めて3人に「無い」と言われ帰宅。
※その後、Aさんの配偶者Bさんから桃野に相談があり「支援措置」の制度を伝える。
2014年2月6日(木)、Bさんが出張所を訪問し、「支援措置」の話とともに再度閲覧制限を要請。
区は1/31の対応を謝罪し、申請を受付。
2014年2月28(金)、世田谷区の支援措置決定
普通、役所で「自分の住民票に制限をかけてほしい」と相談があれば、先ずは詳しい事情を聴く為に別室にお通しし、そこで必ず「支援措置」という単語が出てきてしかるべしです。
しかしそうではなく、本件では、ナント職員3人がかりで「そういうことはできない(制度はない)」と言っています。
そういう対応であれば、区民は「そうなのか」と思ってしまうでしょう。
Aさんは、区の対応に疑問を感じ、区議会議員に相談してみようと思いついてくれたこともあり、結果的に支援措置を受ける事になりました。
しかし本件、このまま行けば、Aさんの住所が何らかの方法で明らかになって、より大きなトラブルに巻き込まれる可能性もあったでしょう。
今回たまたまこの件は明らかになりましたが、世田谷区全体でこういうことが起きている可能性もあります。
質疑の中で、区長に直接、区の窓口業務の改善と、今後の対策を訴えました。
区側からは研修など含め、早急に再発防止策に取り組む旨の答弁がありました。
今後の具体的な対策を注視したいと思います。
質問の様子はインターネット中継(録画)でご覧頂けます。
世田谷区議会ホームページ(http://www.city.setagaya.lg.jp/kugikai/index.html)
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