多くの知的障がい者を雇用しつつ、大手チョークメーカーへと成長してきた日本理化学工業(株)のアイデア
昨日、竹田のぶひろ川崎市議会議員とともに、多くの知的障がい者を雇用する大手チョークメーカー、日本理化学工業株式会社にうかがいました。そして、昨日のブログでは障がい者雇用を進めた経緯やその経営理念をご紹介しております。
(昨日のブログはこちら→http://www.momono-yoshifumi.net/?p=3403)
日本理化学工業は株式会社。福祉施設とは違います。
障がい者を雇って、「働く経験をさせている」わけではありません。
働く人々の手に、お給料をのせていること、障がい者が「利益を稼ぐ」仕組みを作り上げて来たところに、同社の素晴らしさが有ります。
チョークを作る生産ラインを見ても、普通の工場には無い様々な工夫が見て取れます。
雇用当初は、通常の作業を福祉施設の専門家にお願いして、職員を教え育てる事に取り組んでいたのですが、なかなか成長がみられなかったそう。そこで「文字が読めなかったり、数字の計算ができない職員でも、色の区別は出来るじゃないか」とひらめき、材料の容器を色分けし、計量のための重りも同じように色分け。
赤い材料は赤い重りと同量の重さに、青い材料は青い重りと同量の重さにして配合、などの工夫をしました。
■材料を色つきの容器に整理
■材料ごとの配合は同じ色の分銅で量ります
サイズの計測も、従来の物差しを使うのではなく、型枠をつくってその中に、収まるかどうかで判断。
■従来使っていた物差し
■物差しを使うのが苦手な職員もいるので、一工夫
時間の計測も、時計をみるのではなく、「砂時計がおちる間」とします。
■「砂が全て落ちるまで撹拌する」などの作業手順
どれもこれも素朴な手法ですが、現場のミスから生まれた「カイゼン」の結果です。
日本理化学工業は、様々な知的障がいを持つ方が、決められた品質の商品を正しく生み出すための、工夫を積み重ねてきました。
同社の大山泰弘会長は、「その人の理解力に合わせて作業を工夫改善することによって、一生懸命働くことのできる環境を作ります」とおっしゃっています。
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