人間の究極の幸せは、愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること
本日は、竹田のぶひろ川崎市議会議員とともに、日本理化学工業株式会社にうかがいました。
多くの障がい者の雇用の受け皿になりつつ、安定した経営を続けておられる、その企業理念と経営手法を学ぶためです。
・日本理化学工業株式会社
1937年創立、1960年に知的障がい者を2人雇用したのが、障がい者雇用の始まり。
現在、川崎工場、北海道美唄工場含め全従業員76名中、57名が知的障がい者。
知的障がいを持つ社員にも地域の最低賃金を支払いながら(福祉的雇用ではないということ)、業界で一番歴史の浅い会社であるにも関わらず、成長を続け、現在国内チョーク業界にてシェアNo.1のトップメーカー。
坂本光司著「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)で紹介されている他にも、その企業活動が多くのマスメディアでこれまで取り上げられている。
大山会長曰く、最初は養護学校の先生が会社を訪ねてきても、その依頼を断っていたそうです。
それが、3回目の訪問時に先生がこうおっしゃった。
「もう就職をお願いするのはやめました。せめて最後のお願いを聞いてくれませんか。この子たちは卒業して(当時は都立養護学校に高等部がなく中学卒になる)就職できないと福祉施設に入り、一生をそこで暮らすことになります。働くことを知らずにこの世を終えてしまいます。実習で短期間でも働かせてもらえませんか」
この言葉で2週間の実習を受け入れたところ、実習終了時に、社員たちが「15歳で(施設に入り)親元を離れるのはかわいそう。私たちが面倒をみるので就職させてあげてください」と言い始めたことから、大山会長(=当時は専務)は”しぶしぶ”その知的障がい者を雇ったそうです。
それが、今や全従業員の7割以上を、知的障がい者が占める多数雇用の会社になりました。
ある日大山会長が、ある法事で隣り合った禅僧のご住職に会社の話をした。
「障がいがある人は、毎日会社に通わせるよりも、大切に守ってあげた方がよいのではないか」
すると、ご住職はこうおっしゃったそうです。
「彼らが休まず毎日会社に来るのは、”今日も会社に来てくれてありがとう”の声掛けが嬉しいからです。人間の究極の幸せは、愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること、の4つなのです」
この言葉が大山会長を変えました。
私も、大山会長の穏やかな口調の中に隠された熱い思い、そして障がい者の皆さんが生き生きと働く現場をみて、心が動かされました。
工場には、障がい者が生き生きと働くための知恵とアイデアが詰まっていましたので、またブログ後編もアップさせていただきます。
■大山泰弘会長と、工場で働く皆さん、そして皆さんの作った商品(チョーク)
コメントを残す