世田谷区の「新BOP学童クラブ」で虐待事案が発生しました。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区の「新BOP学童クラブ」で虐待事案が発生しました。
「新BOP学童クラブ」は、子どもたちが放課後を過ごす場で、「学童保育」と「放課後子ども教室」をあわせた区の事業です。そのほとんどは区立小学校内で実施されています。
昨日(2025.09.01)の区議会文教委員会にて報告された内容より、以下要点です。
・令和7年8月21日(木)午後12時30分頃、新BOP学童クラブにおいて虐待事案発生。
職員(派遣職員)が、昼食後にパーテーションを使って室内の空間を仕切り、その内側で清掃をしていたところ、被害児童(以下、「本児」)が清掃を行っているスペースに入ってきた。
職員は、本児の侵入を阻止しようとして大きな声を出して止めようとしたが、本児はパーテーションの下の隙間から覗き、派遣職員の名前を呼んだ。
それに対し職員は、本児に向かってさらに行動を規制する声を発し、本児の顔に向かってパーテーション越しに右足を振った。その足が本児の顔に当たり、下唇と歯茎から出血した。
新BOP学童クラブ事務局長が職員に対して事実確認を行ったところ、「同じようなことが続いていたので、イライラしてしまった」と回答し、そこに児童の顔があることを認識し右足を振ったことを認めた。
・問題のある職員だった
虐待発生後、区が事務局長に聞き取りを行ったところ「この職員は平素から勤務態度に問題があった。子どもに対して荒い言動があり指導していた」旨の内容であった。
・虐待発生から、関係者がそれぞれメールでの報告だけで済ませていたことで速やかに適切な対応が取れなかった。
8月21日(木)
虐待発生後、新BOP学童クラブ事務局長が児童館長へメールで報告。
8月23日(土)
21日から22日まで児童館を不在にしていた児童館長がメールに気づき、児童課担当係長及び派遣事業の担当宛てにメールを転送する形で報告
8月25日(月)
児童課にてメールを確認し、児童館長に派遣会社が状況を把握しているかどうかを確認。
8月26日(火)
児童館長から派遣会社の担当者は詳細を把握していないと報告あり。児童課から派遣会社に連絡し、派遣職員が今後出勤しないよう要請。
8月27日(水)
新BOPから派遣職員に連絡。出勤しないよう指示。
・区の今後の対応
契約している派遣会社と世田谷区の間において、派遣時の研修の強化や派遣職員が就業中に虐待を含む不適切な行為を行った場合のリスクマネジメントについて再検討し、運用の徹底を図る。
現在運用している緊急対応フローを、虐待等の事案が発生した場合にも確実に運用できるように検討、改めて区役所関係所管で周知徹底を図る。
児童館や新BOPにおいて具体的にどういった行為が虐待と判断されるかについて整理を行い、各児童館及び新BOPに対して周知徹底を図る。虐待に関する通報受付や調査・指導方法等に関する仕組みの検討を行う。
区からの報告要点は以上。
区の新BOP学童クラブにおいて、職員が許されざる暴力行為を行ったことがわかります。桃野は、職員が子どもの顔を蹴っとばしたのだと推認しますが、区の表現では「そこに児童の顔があることを認識し右足を振った」となっています。これは暴力事案を軽視するような表現ではないでしょうか。
又このような緊急対応が必要な事案に対し、区の職員はメールでのみ対応を行なっていました。暴力を振るった職員の出勤を止められたのが事案発生後5日目です。これについても区は事案の重大性を理解していないと言わざるを得ません。本来、電話等も併用して対応するのが普通でしょう。
再発防止策と合わせて、緊急時の対応フローについても徹底的な点検が必要です。
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