不登校対策。子ども達にとって学校が「安心して自分らしさを出せる場所であること」こそ肝心。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログは先の予算特別委員会での質疑より。
世田谷区の「学びの多様化学校」について取り上げました。
学びの多様化学校は、以前「不登校特例校」と呼ばれていたもので、その名の通り不登校の子ども達を受け容れ、一般的な区立学校とは異なる柔軟な教育課程のもと、学校生活を送るところです。
現在、世田谷区では世田谷中学校の分校という形で「ねいろ」があり、今後は新たな学びの多様化学校を独立した学校として作る計画が進んでいます。
新たな学びの多様化学校は中学校1年生から3年生、各学年20名程度の規模で運営されます。
しかしながら、世田谷区内の不登校児童・生徒は令和4年度で1540人。学びの多様化学校の規模は不登校の子ども達の人数に比べてバランスするものではありません。対応できる子ども達は全体の一握りということになります。
そこで大事なのは、学びの多様化学校の実践をどう各学校にフィードバックし、各学校が不登校を生み出さないよう取り組みことができるか。
しかし、その肝心部分が今の区の取り組みからは全く見えてきません。
世田谷区長、何か「学びの多様化」という美しい言葉に酔っているようで、本来必要な「中身」についての思慮が全く欠けているように思います。
世田谷区ではことあるごとに「個別最適な学び」に取り組むといい、それによって不登校を生まないよう取り組むとも言います。しかし果たして、そんなことが本当にできるのでしょうか。
今「教職員の多忙感」が課題とされ、教員の働き方改革が必要だと言われています。そんな中で、個別最適な学び、すなわち子ども達の選択肢を増やし、教職員が個別対応を繰り返していくなどということが可能でしょうか。そして、そうしたことが仮にできたとしても有効な不登校対策に繋がるのでしょうか。
桃野はそうは思いません。
子ども達が学校に行きたくないと感じるのは、何も自分に個別対応をして欲しいとの思いからではないでしょう。
子ども達にとって大切なのは、学校が「安心して自分らしさを出せる場所」であること。その為に世田谷区の教育委員会は「学校から同調圧力や横並び体質を如何に排するか」に取り組むべき。
際限ない個別対応で教職員が疲弊する前に方向転換するべきです。
質疑の様子は以下動画でご覧ください。
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