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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2023-07-14

大阪府立西成高校で「人権学習」の取り組みを学んできました。様々な困難を抱える子ども達をどのように支援していくか。世田谷区でも参考に。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

本日のブログも文教委員会メンバーでの行政視察よりご報告。

こちら関連ブログです。

上記ブログの名古屋から大阪へ移動し、先ずは大阪府立西成高等学校へ。

西成高校では、 児童養護施設や里親宅から通学している生徒、ひとり親家庭、様々な理由で義務教育時代に不登校を経験した生徒など、 困難を抱える生徒が多く在籍しています。

と、こんなことを書くと”荒れた学校”をイメージする方が多いかもしれません。桃野も正直、学校訪問前は「髪を派手な色に染めたり、制服を着崩したりしている生徒がたくさんいるんだろうな」と想像していましたが、全くそんなことはありませんでした。学校を訪問して感じたのは、みんなにこやかで、接していて気持ちの良い生徒たちという印象です。

前田勝治校長先生他、教職員の方々の取り組みが奏効しているのでしょう。西成高校ではソフト・ハード両面で、様々な工夫を行なっています。

生徒が入学すると、先ずは自分が抱えている問題(家庭の事情、不登校になった経緯などなど)を、自分が言える範囲で「紹介」するそう。これで生徒がお互いにわかりあうことから。

そして人権教育。前田校長曰く「人権は教えるものでもない、元々持っているもの」「人権を各自確認させる。だから人権学習」とのこと。人権学習、進路選択、ソーシャルスキルのトレーニングなどの時間を週一回、2時間設定しているそうです。

例えば、軽度の知的障がいがある子どもは「こんなこともできないのか」という言葉をかけられて暮らしてきた。差別の当事者になった者に自覚を持たせる、自分が排除されていることを学ぶ、そしてそれを乗り越える力をつける。大きくは被差別部落、障がい者、LGBTQ、外国人の4つの差別。不登校にはそこ至る理由がある。西成高校には人権学習ができるという強みがある。

前田校長はこうした話を聞かせてくださいました。

そして授業面での工夫。1年生は小学校の学習内容から学び直しをするそう。

1年生の1限目、2限目は各30分、間に5分の休憩。通常の授業時間(50分授業)より短い時間設定で集中力を維持し、学び直しをしっかりやる時間。

ハード面での取り組みもあります。

廊下にはかつて、地べたに座り込む生徒がたくさんいたので、見晴らしの良いところに椅子と机を置いてフリースペースにしたとのこと。桃野も座ってみましたが地べたに座るより気持ちが晴れて良いですね。学校の雰囲気も良くなると思います。

校内には地域の方々のボランティアで運営されているカフェもあります。

月に6回程度、昼休みや放課後に開かれて、生徒に飲み物や軽食(菓子・おにぎり)が提供されるとのこと。学校で調理したものを生徒に提供することはできないので、おにぎりは炊飯器の中のものを生徒が自分で握って食べる方式だそう。

西成高校では生徒を叱咤激励しない。教師は頑張る子が好きだから叱咤激励する。だけど頑張れない子も認めることが必要。一方で緩すぎるとだめ。叱る場面も必要。「学校はちょろい」と思わせるとなると、それは生徒に間違ったことを教えることになる。中退率は、かつて17、8%程度だったものが、一番良い時で4%まで落ちた。今年は8%ぐらい。生徒が学校を嫌いにならない。高校卒業の生徒をたくさん作りたい。前田校長にはそんな話も聞かせていただきました。

世田谷区が担っているのは区立小中学校ですから、高校の取り組みがそのまま当てはまるわけではありません。一方で様々な困難を抱える児童・生徒をどのように支援していくか。そのような児童生徒の家庭を支援するために区役所の各所管(児童相談所、こども家庭センターなどなど)とどう連携していくか。今回の西成高校訪問は、こうしたことも考えさせられる、学びの時間となりました。

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