区職員の定年が60歳から65歳に、これから10年間で2.5億円の人件費増。民間はまだ「再雇用」制度などが主。定年引き上げは公務員優遇の歪みではないか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区議会は現在、定例会の会期中。令和4年度世田谷区一般会計補正予算(第3次)など、議案32件の審査が行われています。
ということで、桃野が所属する「企画総務委員会」が昨日開催され、22の議案審査が行われましたが、その中の一つが「職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例」。
この条例は地方公務員法改正に伴う条例改正で、簡単にいうと、現行で60歳となっている区職員の定年を65歳に引き上げるというものです。
現在、世田谷区の職員は60歳で定年、それ以降は、本人が希望すればですが、再任用という立場で働く仕組みです。これを今回の条例で65歳を定年にしようということ。
定年引き上げとなれば、これまでの桃野の委員会での質疑で明らかになっていますが、これから10年間で2億5千万円の人件費増となります。
さて、昨日の委員会での賛否はというと。
■職員の定年引き上げに賛成
自民党、公明党、立憲民主党、あべ力也議員(減税)、つるみけんご議員(新風)、そのべせいや議員(都民ファーストの会)
■職員の定年引き上げに反対
私、桃野芳文(F行革)
という結果になり、反対したのは私、桃野のみでした。
桃野は、採決の際、意見を申し上げた上で反対をしましたが、本ブログでも反対意見を表明したいと思います。
桃野は公務員の定年引き上げを全面的に否定するものではありません。しかし今、このタイミングで定年引き上げまでしてしまうのは妥当な施策とは思えないということ。
現在、民間企業においては、継続雇用制度の導入(一旦定年して再雇用など)こそ、増えてきましたが、まだ定年は60歳が圧倒的に多い状況です。こうした中での公務員定年引き上げは、雇用における公務員優遇の歪みを生みかねません。
そして、定年引き上げであれば、同時に「新規採用の抑制」や「中堅若手職員の意欲低下」などに対する施策も導入されるべきですが、その点に関する施策が抜け落ちています。単純に定年引き上げだけが行われれば、若者の雇用を奪い、又若手・中堅職員の活躍の場を奪うことにつながります。これではとても賛成できない。
こうした理由から桃野は職員の定年引き上げに関する議案に反対しました。
最終的な議案の賛否は本会議で決します。さて、桃野の会派(F行革)以外で職員の定年引き上げに反対する議員が出てくるか。答えは今週金曜日(30日)の13時からの本会議で明らかになります。
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