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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2021-11-23

木下富美子氏の都議会議員辞職に思う。世田谷区議会では過去、辞職勧告決議を受けても辞めなかった議員がいます。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

今年7月に行われた東京都議会議員選挙に「都民ファーストの会」の公認を得て板橋区選挙区から立候補し当選した木下富美子氏が、都議会議員を辞職しました。

木下氏は、選挙期間中に無免許で車を運転し事故を起こしていましたが、これを公表せぬまま当選。事故については投開票翌日の7月5日に報道され批判を浴びました。

その後、都議会から二度の辞職勧告決議。

しかし木下氏は、なんとかして都議会議員を続けたかったのでしょう。事故を起こしてからは5ヶ月近く、1回目の辞職勧告決議を受けてからは4ヶ月経っての辞職となりました。

桃野は一連の流れ、木下氏のこれまでの言動を見て、辞職せざるを得ないと思います。木下氏はこれを機に改めて自らの行為を省みた上で新たな人生を歩めばいい。

さて、今回報道を見ていると「都議会はなぜ木下氏を辞めさせられないのか(都議会が木下氏を辞めさせるべき)」との意見を持っていた有権者も多いようです。

しかし、議員を他の議員の権限で辞めさせる(議会での懲罰では「除名」)のは、実は非常に高いハードルがあります。もしも議会で簡単に議員を辞めさせされることができれば多数派が簡単に少数派の議員を議会から追い出すこともできてしまいます。それに歯止めをかける意味でも簡単には辞めさせられない仕組みがつくられていると言うこと。

まず、除名を含む懲罰の事由となるのは以下の事項です。(「議員必携」編集:全国町村議会議長会を参照)

1)議員が正当な理由なく応召しなかったり、正当な理由がなく欠席をして議長が、招状を発しても、なお故なく出席しない場合。

2)秘密会の内容を他に漏らした場合。

3)本会議や委員会で無礼の言葉を使用したり、他人の私生活にわたる言論をした場合。

4)議長や委員長から発言の取り消しや禁止、退場等を命じられてこれに応じなかったような場合。

5)戒告又は陳謝の処分を受けた議員が、議長の戒告を受けなかったり、陳謝文を朗読しない場合。

6)出席停止の処分を受けた議員が、停止期間中に出席し、議長又は委員長から退場を命じられてもなお退場しない場合。

7)前記のほか、地方自治法、会議規則及び委員会条例に違反した場合。

つまり、議会内での言動、もしくは地方自治法に反しない限りは懲罰の対象にはなりません。今回の木下氏の事件は議会外での違法行為、それも道路交通法違反ですから、議会で除名することはできないということになります。

世田谷区議会でも過去、議員辞職勧告決議を受けても尚、辞めなかった議員はいます。世田谷区議会のサイトで過去の会議録を検索することができますが、そのサイトで「辞職勧告決議」という言葉で検索すると以下4件ヒットします。

平成20年9月 定例会,1001-05

平成20年9月 定例会,10月17日-06号

平成10年9月 定例会,09月24日-01号

平成9年3月 定例会,09月24日-01号

どの議員がどういう理由で辞職勧告決議を受けるに至ったか。会議録をご覧いただければと思います。

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