不登校の児童生徒を自立に導いていく為、手厚い支援を。ほっとスクール関連の予算は年49万円/人。施設の地域的偏在も過大です。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日のブログも予算特別委員会での質疑より。文教委員会領域の質疑で「不登校」について取り上げました。持ち時間は16分。本当はまだまだ言いたいことが合ったのですが、続きはまた別の機会にやりたいと思います。質疑の様子は以下の動画でご覧下さい。
質疑の冒頭、先ずはコロナ禍とはいえ「あれも止めよう、これも止めよう」と思考停止すべきではない、子どもの学びをしっかりと保証することは必要、そしてコロナの影響で厳しい財政状況が予想される中だが教育関連予算はしっかり確保しないといけない、という意見を区側にぶつけました。これはしっかりやってほしい。
そして、質疑は「不登校児童・生徒」への対応について。
世田谷区における不登校(病気や経済的理由以外での30日以上の欠席)の児童生徒は令和元年度で825名。5年前の521名から1.6倍に増加しています。そして区は今後も不登校の児童・生徒の数は増加すると見込んでいます。
一方、そうした児童生徒の居場所となっている「ほっとスクール」の予算は令和2年度、令和3年度はほぼ変わらずで約8900万円/年程度。令和3年2月末現在で、ほっとスクール通所者数は182名ですから、一人当たりの予算で見ると、約49万円ということになります。
不登校の児童生徒を自立に導いていくための予算として、これは決して過大なものではありませんし、今後その人数が増えると見込んでいるのであれば、予算も更にしっかりとつけるべきでしょう。
実際に世田谷区のほっとスクールは区内3カ所と地域的に偏在していて、どこからでも便利に通えるというものではないというのが実態。世田谷区の場合は区内を5つの地域、5支所単位で公共施設の配置を考えるのがスタンダードであるにも関わらずです。
各ほっとスクールの通所者数/定員も「ギリギリの状態」と所管課からは聞いています。まず、ほっとスクールをその中身とともに充実させ、子ども達をしっかりと自立に導いていくことが必要。
そして区は、民間のフリースクールとも連携を。
フリースクールは法に基づいた学校ではありませんが、学校には馴染めない子ども達が通い、勉学に励む場として社会に欠かせないものになっています。
こうした民間団体、民間事業者とも区はしっかりと連携していくべき。不登校に関しても公教育と私教育の連携は欠かせないものではないでしょうか。
もしも経済的な理由でフリースクールの利用を躊躇する家庭があるなら(所得制限などを付した上で)助成を行うことも必要ではないかと考えています。不登校は家庭の困窮とも結びついている例があることが周知の事実です。家庭の経済状況に左右されずに子どもが学ぶことができるよう環境を整えるのは公の役割です。
桃野の提言に対して、区の答弁は今回「検討していく」「研究していく」と、あまり前向きなものではありませんでした。しかし、桃野は今後も粘り強く、区に不登校児童生徒への厚い支援を求めていきたいと思います。
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