区立保育園で起きた虐待事件。区長は渋々と言った雰囲気で謝罪するも、今後の再発防止策など心配が多々あります。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
本日は予算特別委員会、総括質疑。桃野は持ち時間32分で質疑に臨みました。
今日のテーマは2つ。
1)世田谷区立保育園で起きた虐待事件について
2)世田谷区長が言うところの「社会的検査」について
質疑の様子は以下の動画でご覧下さい。32分程度です。
先ずは「1)世田谷区立保育園で起きた虐待事件について」をブログでご報告。
この事件については、以前もブログでご報告してきました。以下参照ブログ。
【区立保育園で起きたこと。なぜ当初から区は「これは虐待である」と明言できなかったのか】(2021.02.13 桃野ブログ)
今日、区長にまず問うたのは事件の経緯に関する事。
この虐待事件にに関する区への第一報は昨年の9月25日「区長へのメール」(世田谷区のサイトから区長にメールが送れます)に寄せられました。しかし、そのメールについて区長は無反応。メールは内容に合わせて担当所管にも通知が来る仕組みなので、保育課から園長に注意喚起程度の事はしたとのことです。
その後、該当の保育園で何も変化がなかったからという事なのでしょうか。同一人物からの通報かどうかもわかりませんが、改めて2週間後に保育課に通報が寄せらています。
「区長へのメール」が来ていたにも関わらず区として初動が非常に遅れたこと、そしてこのような事件が起きたこと自体、区長は先ず区民に謝罪しなければならないのではないでしょうか。先ずはそこを区長に問いました。
しかし桃野が聞いても、なぜか中々発言しない区長。上記の動画を見ていただければわかりますが、区長しか答えられない質問である事は明らかなのに桃野が再度「区長に聞いてます」と促すまで挙手もしません。よっぽど謝りたくなかったのかもしれませんが、区立保育園で起きた虐待事件と向き合う態度として誠実さに欠けるのではないでしょうか。
第一報が昨年9月25日、その後、外部の有識者による「保育のあり方検討会」が開かれることになり、検討会の第1回目が昨年の12月28日、そこでも区は「これは虐待事件だ」という認識をまだ持っていませんでした。それ以前に行われた保護者会では「この行為がされていたことを知り涙が出る」「園長はこんな行為を見逃さないでほしい」との声が寄せられていますが、それでも区は虐待とは認めていません。
12月28日の検討会で委員から「虐待行為にあたるかどうかきちんと整理してここに持ち込んでもらいたい」との指摘が出て、今年1月22日の第2回検討会でようやく区は「9つの行為が心理的虐待にあたると判断した」と言っています。
今回の質疑では「虐待であるという認識を持つまでになぜこんなに時間がかかったのか」と問いましたが、それに答える答弁は全く出てきませんでした。更に桃野から再発防止策についても提言しましたが、これも全く噛み合わない答弁。全体として、区がこの事件と真摯に向き合い、しっかり再発防止策を講じられるのか心許ない質疑となりました。
区が保育士による園児への虐待として認めたのは以下の9行為。
1.午睡の際、寝入りばなの子どもに、二つ折りにした敷布団を、上半身に落とす行為をした。
2.食事の片付けの時、行動がゆっくりの子に「まだ終わってなかったのか」と言いながら、頭の上に音がするくらい両手を振り下ろして当てた。
3.次の通り、乱暴な言葉を使用した。
·食事の準備の時、座ってない子どもに「何回も言ってんだろ」と言った。
·着替えをしていたが手間どっていた子に「何でこんなことも分かんねえんだ」と言った。
4.食事の際、泣いてしまった子どもを隣室に1人にした。
5.食事の際、飲み込めなくても口から出してはいけないと強く指導した。
6.おやつを食べなかった子どもの指導で、泣いていた子どもを年齢より下のクラスに連れて行った。
7.トイレやトイレットペーパーでいたずらを2日続けた子どもに対し、オムツを使用してないのに「トイレを使えないやつはオムツで寝かせるぞ」と言った。
8.午睡の際、おでこに消しゴムを置いて動けないようにして寝かせる行為をした。
9.午睡の際、幼児クラスで視界をふさぐように子どもの顔にバスタオルをかぶせた。
今回の質疑の中では、該当の保育士に対して今後、厳正な措置を行う(懲戒処分を行うの意味)ということは示されています。
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