区立保育園での虐待事件。「夏場のシャワー時、嫌がる園児の顔に冷たい水をかけていた」が「虐待では無い」へ。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区議会本会議2日目。本日、我々の会派「無所属・世田谷行革110番・維新」は代表質問を行いました(登壇は大庭正明議員)。
質問内容を本日よりブログでご報告します。先ずは「世田谷区立保育園で起きた”不適切な保育”」について。この件については、桃野は既にブログでもアップ済み。以下参照ブログです。このブログで表明した桃野の疑念についても、本日の代表質問で取り上げています。
【区立保育園で起きたこと。なぜ当初から区は「これは虐待である」と明言できなかったのか】(2021.02.13)
本日の「不適切な保育」に関する質問の要点を抜き出すと以下。
1)本件について区は当初「虐待ではない」と議員へ口頭報告。その際「委員会では報告しない」(議事録の残る場では取り上げない)との姿勢であった。おかしいのでは無いか。
2)上記ブログにも記した9行為が虐待事例と認定された経緯は?当初報告されていた「夏場のシャワー時、嫌がる園児の顔に水をかけた」行為は、なぜ途中で報告から抜け落ちたのか。
3)今回の虐待事例を区は、区立保育園全体の問題としているが、ほかにも内部通報や苦情が山ほどあるということか?
4)世田谷区立保育園全体の問題とすれば、トップである区長の問題であると考えて良いと思うが区長の見解は?
これら1)〜4)の質問に関する区側の答弁は概ね以下内容でした。
質問1)
本件について区は当初「虐待ではない」と議員へ口頭報告。その際「委員会では報告しない」(議事録の残る場では取り上げない)との姿勢であった。おかしい。
↓
区側の答弁1)
11月11日の福祉保健委員会に先立ち、担当課長が議員に本件の情報提供をした際「調査中であり、事実関係をこの時点でこれ以上お伝えすることができず、現時点では、議会への報告は考えてない」と話した。このやりとりが将来に渡って委員会に報告をしないととられかねず、区の区議会への報告時期を明確にお伝えできなかったことについてお詫びする。
質問2)
上記ブログにも記した9行為が虐待事例と認定された経緯は?当初報告されていた「夏場のシャワー時、嫌がる園児の顔に水をかけた」行為はなぜ報告から途中で抜け落ちたのか。
↓
区側の答弁2)
本件の発生を受けて外部有識者による「区立保育園の今後のあり方検討会」を設置した。児童相談所に相談に赴くなどした結果、9つの全ての行為が心理的虐待にあたると判断し、検討会で報告、各委員と認識を共有した。
「夏場のシャワー時に冷たい水を、嫌がる園児の顔にかけていた」については、当該保育士へのヒアリングにおいて、その行為について一旦確認できたことから、臨時の保護者会と福祉保健委員会では第一報として報告したが、その後、当該行為の場に居合わせた職員に詳細を尋ねたところ、シャワーの温度は「ぬるかった」との証言や、はしゃぎ声をあげる様子から遊びとの境も曖昧で、心身に有害な影響を与える行為とまでは言えないことや、それ以外の複数人からの具体的な目撃情報が得られなかったことから、改善を要する事項からは除外した。
質問3)
今回の虐待事例を区は、区立保育園全体の問題としているが、ほかにも内部通報や苦情が山ほどあるということか?
↓
区側の答弁3)
当該職員の保育士としての能力や適性と共に、当該園の園長の指導、職員間のコミュニケーションの不足など園としての問題でもあり、これまでの区の人材育成の取り組みが十分に機能していなかった現れではないかとの認識に立ったことから区立保育園全体の問題ととらえるべきとした。
質問4)
世田谷区立保育園全体の問題とすれば、トップである区長の問題であると考えて良いと思うが区長の見解は?
↓
区側の答弁4)
私(区長)としては、これまで「保育の質」を最優先にしてきた。今回の件は区立保育園全体で、二度と起こさないための教訓として欲しいと考えている。区立保育園をご利用の皆様には、多くのご心配をおかけし、深くお詫び申し上げる。本件を検証し、改善策に取り組み、信頼回復に全力で取り組む。
(質問&答弁の要約以上)
幼い子どもは、自身に起きたことを仔細に説明することはできません。一方、虐待をする側、大人の側は雄弁に物事を語ることができます。「顔に水はかけたが、冷たい水では無く、ぬるかった。子どもは嫌がっていなかった」という説明が果たして「虐待ではない」という結論に向かって良いのか。
区側の検証、再発防止に向けた取り組みが、より良いものとなるよう、引き続き区議会でこの問題を取り上げて参ります。
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