危機は社会の仕組みを大きく変える。これまでは遅々とした歩みであった課題解決への取り組みが一気に進むのもこんな時。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
昨日(4/7)、安倍総理大臣は改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を発令しました。
対象の区域は東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県。
緊急事態宣言の発令によって、対象区域の知事は法令に基づき、施設や業種を指して使用の制限等の要請(あくまで要請)をすることができますが、4/8(水)の16時現在、7人の知事からそうした要請は出ていません。
報道によると、東京都の小池都知事は休業を求める施設や業種について「10日に具体的な内容を発表し、11日から実施をお願いする」(4/8日経新聞)としているようです。
新型コロナウィルス禍によって、社会に大きな負の力がかかっていることは紛れもない事実。今は国民一人一人が、一刻も早い感染拡大の終息のために努めなければなりません。外出自粛や手洗いの徹底は各自が今すぐに取り組めることですね。
感染症の流行だけでなく、災害も含めて、社会の危機は、その仕組みを大きく変えるきっかけになります。これまでは遅々とした歩みであった課題解決への取り組みが一気に進むのもこんな時。
「新型コロナ前」、そしてこの先訪れる「新型コロナ後」では、日本の社会にも大きな変化があることは間違いありません。
企業活動においてはリモートワーク、学校や塾においてオンライン学習がコロナ前に比べて、飛躍的に普及するのではないでしょうか。
そして、これは医療も同様。現在、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、オンライン診療の対象が拡大されつつあります。
医師が対面ではなく、情報通信機器の画面などを通じ、遠くにいる患者を診察する診療は、1997年に離島や僻地などを対象に行う前提で認められました。
その後、2015年には一般診療でも認められるようになりましたが、これはあくまで対面診療の補完的なものとされ、原則は対面診療。初診の患者に対するオンライン診療はこれまで認められていませんでした。
ところが今、厚労省が、新型コロナウィルス感染症拡大を受け「初診からのオンライン診療を認める」方針へと転換をしています。
【感染防止へオンライン診療 初診から容認へ 厚生労働省】(NHK)
オンライン診療の拡大は当面の間の時限的措置となるようですが、新型コロナウイルスの感染が疑われる患者だけでなく、ほかの病気の診療も対象とする方向で調整が進んでるとのこと。
これは、医療関係者への感染拡大を阻止する施策であり、相談や診察の需要が高まることで医療崩壊へと至る事態を食い止めようとする施策ではありますが、オンライン診療の拡大によって大きな問題は生じないこと、医師、患者の双方にとって(又はどちらかにとって)メリットがあるということになれば、「コロナ後」の医療は大きく変わるのではないでしょうか。
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