2019-06-27
小4女児の虐待死事件。夫からDVを受け、従属的な立場にあった妻の虐待を裁判所がどう判断するのか。注目点でした。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
昨日、桃野も注目していた裁判の判決が出ました。
昨日からのテレビニュース、今朝の朝刊各紙等でも大きく取り上げられています。
例えばこちら。
【小4女児虐待死 母親に猶予付き懲役2年6か月の判決 千葉地裁】(NHKニュース)
千葉県野田市の小学4年生女児、栗原心愛さんが虐待死したとされる事件で、傷害幇助罪に問われた母親に対し、千葉地方裁判所は、懲役2年6カ月保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役2年)を言い渡しました。
(父親は、傷害致死罪などで起訴されていて、6月21日に公判前整理手続きが終了)
自身の夫(女児の父親)が、常習的に虐待行為をしているのを認識しながら、制止や警察などへの通報もせず、自らの判断で虐待に加わっていたわけですから、母親が強く非難されるべきは論を待ちません。激しい虐待を受けながら、何の救いの手を差し伸べられることなく、命を奪われていった女児の絶望感を思うと、胸が張り裂けそうです。
一方で、夫(女児の父親)からDV(ドメスティック・バイオレンス)を受け、従属的な立場にあった妻(女児の母親)が虐待に加担していた点を裁判所がどう判断するのか、ここは注目点でした。
今朝(2019.06.27)の東京新聞に掲載されていた判決要旨には、以下綴られています。
重大な事件に関与した程度に照らし、実刑に処することがふさわしいようにも思うが、心愛さんを傷つけることを積極的に望んでいたとはいえない。社会の中で更生の道を歩ませる余地がある。
(引用以上)
裁判所は、母として、心愛さんを守る義務を怠り、夫の犯行をほう助したことへの非難は免れないとする一方で、夫の支配的言動の強い影響で、妻はその意向に逆らうことが難しかったと認定しています。
つまりDVの影響は大きかったと。
今回の事件については、厚生労働省と文部科学省の合同プロジェクトチームが検証の中間まとめを公表していますがその中で以下の指摘をしています。
心愛さん一家が沖縄県糸満市から千葉県野田市に転居した際、野田市は糸満市から「母親へのDVがある」と伝えられたが、夫婦間のDVによる虐待リスクを評価できていなかった。
(2019.06.27朝日新聞より)
世田谷区では来春の児童相談所開設に向けて準備を進めている最中ですが、世田谷児相は、このような悲惨な事件を防がなければなりません。
ところが、桃野が、先の世田谷区議会で取り上げた通り、今年3月に区が示した「児童相談所開設に向けた計画書(案)」には「来年度以降、児童相談所が虐待対応等、児童相談行政の中核を担いつつ、子ども家庭支援センター、学校、児童館、保健所など他の所管とも連携を進めていく」旨の記載がある一方で「配偶者暴力相談支援センターや、DV等支援措置の実務の窓口になる出張所などとの連携」については一切記載がありません。
この計画書(案)の作成には「配偶者暴力相談支援センター機能」を所管する生活文化部の部長もがっつりと関わっているはずなのに、この結果。正直、非常に心配な状況です。
だからこそ、桃野は議会で取り上げ、DVと児童虐待の連鎖を防ぐ仕組み、DV相談から的確に児童虐待の相談につながる仕組み(児童虐待相談からDV相談も)の提案を行いました。
世田谷区は、この事件の裁判を通じて明らかになる様々な事実にもしっかりと目を向け、児童相談行政、DV問題への対応の仕組みを、より良いものにして行かなければなりません。
議会での質問の様子は以下の動画でご覧ください。
一方で、夫(女児の父親)からDV(ドメスティック・バイオレンス)を受け、従属的な立場にあった妻(女児の母親)が虐待に加担していた点を裁判所がどう判断するのか、ここは注目点でした。
今朝(2019.06.27)の東京新聞に掲載されていた判決要旨には、以下綴られています。
重大な事件に関与した程度に照らし、実刑に処することがふさわしいようにも思うが、心愛さんを傷つけることを積極的に望んでいたとはいえない。社会の中で更生の道を歩ませる余地がある。
(引用以上)
裁判所は、母として、心愛さんを守る義務を怠り、夫の犯行をほう助したことへの非難は免れないとする一方で、夫の支配的言動の強い影響で、妻はその意向に逆らうことが難しかったと認定しています。
つまりDVの影響は大きかったと。
今回の事件については、厚生労働省と文部科学省の合同プロジェクトチームが検証の中間まとめを公表していますがその中で以下の指摘をしています。
心愛さん一家が沖縄県糸満市から千葉県野田市に転居した際、野田市は糸満市から「母親へのDVがある」と伝えられたが、夫婦間のDVによる虐待リスクを評価できていなかった。
(2019.06.27朝日新聞より)
世田谷区では来春の児童相談所開設に向けて準備を進めている最中ですが、世田谷児相は、このような悲惨な事件を防がなければなりません。
ところが、桃野が、先の世田谷区議会で取り上げた通り、今年3月に区が示した「児童相談所開設に向けた計画書(案)」には「来年度以降、児童相談所が虐待対応等、児童相談行政の中核を担いつつ、子ども家庭支援センター、学校、児童館、保健所など他の所管とも連携を進めていく」旨の記載がある一方で「配偶者暴力相談支援センターや、DV等支援措置の実務の窓口になる出張所などとの連携」については一切記載がありません。
この計画書(案)の作成には「配偶者暴力相談支援センター機能」を所管する生活文化部の部長もがっつりと関わっているはずなのに、この結果。正直、非常に心配な状況です。
だからこそ、桃野は議会で取り上げ、DVと児童虐待の連鎖を防ぐ仕組み、DV相談から的確に児童虐待の相談につながる仕組み(児童虐待相談からDV相談も)の提案を行いました。
世田谷区は、この事件の裁判を通じて明らかになる様々な事実にもしっかりと目を向け、児童相談行政、DV問題への対応の仕組みを、より良いものにして行かなければなりません。
議会での質問の様子は以下の動画でご覧ください。
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