自分の健康より子どもの健康の方が心に響く?小4児童を対象にした「受動喫煙検診」が親の喫煙率を下げるという報告。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」ということでしょうか。
本来の意味からはちょっと違うかな。
喫煙によるリスクの理解を促進しようと、子どもの受動喫煙検診を行っている自治体で、その効果が出ているよう。
なかなかタバコをやめられない方でも、本人の喫煙が我が子の健康に悪影響を与えているとされれば、禁煙への思いが強まるということなのでしょう。
【受動喫煙 大幅改善 小4検診→親禁煙 埼玉・熊谷、10年で成果】(毎日新聞)
埼玉県熊谷市では、小学校4年生の児童を対象に「受動喫煙検診」を行っているとのこと。
これは、ニコチンの代謝物質「コチニン」(ややこしい・・・)が、尿中にどれくらい含まれているかを調べ、児童が被害を受けている受動喫煙の程度を明らかにしようとするもの。熊谷市が2007年より公費で実施しています。
全小学校4年生全員に受診を呼びかけ、その9割ほどに当たる1,500人が毎年受診しているそう。
検査で高い値が出た児童の保護者には、小児科を受診させるよう文書が送られる仕組みですが、近年検診で「高値」とされた児童の数は以下の推移。
2007年度 / 12.6%
2008年度 / 18.9%
が、10年で大きく減少。
2017年度 / 4.0%
検出限界値以下の児童の割合は
2008年度 / 44.9%
が、10年で大きく増加。
2017年度 / 81.3%
更に熊谷市では2011年度からは中学2年生を対象に、アンケートによる追跡調査を実施。同じ子どもの13年度(小学4年生)と17年度(中学2年生)で比較すると、保護者(父親)の喫煙率は48.8%から38.08%と約10ポイント減っていたとの結果も出ています。
子どもに対して受動喫煙をさせまいとする意識付けだけでなく、親に対する禁煙奨励効果もあったということですね。
この施策を実施すれば、世田谷区でも効果が出るのではないかな。もう少し調べてみたいと思います。
ただし、この取り組みから得られた成果を報告する論文「小児における受動喫煙の科学的実態調査及びがん予防の効果的研究」をネットで検索することができたのですが、そこには以下の記述もありました。
「尿中コチニン値検出分布:平成23年度(2011)から平成28年度(2016)の尿中コチニン値の検出分布をみると、検出限界以下の割合は7ポイントの改善が得られた一方、高度高値(※)の割合は2.3%→1.7%と微減に止まった。年によっては3%を超え、一定数の子ども達が能動喫煙とも取れる尿中コチニン値を示した」
小4児童のうち、喫煙をしている子どもが一定数いるのかもしれませんし、又児童が受ける受動喫煙の被害をいくら示しても一向にその対策を取ろうとしない保護者が一定数いるのかもしれません。
(※桃野注)今回の検査では高度高値(40ng/mL以上)、中等度高値(25ng/mL以上、40ng/mL未満)、軽度高値(10ng/mL以上、25ng/mL未満)、基準内(10ng/mL未満)と分類。
■写真は桃野が受動喫煙対策について議会で取り上げた際のもの
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