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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2018-04-08

「DV等支援措置」の勉強会へ。逃げた側には様々な不都合が降りかかり、加害者側は何の不都合もなく普通に暮らす。

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
本日は世田谷区を離れ、都内で行われた「DV等支援措置」の勉強会に行ってきました。
支援措置とは、DV(ドメスティックバイオレンス、家庭内での配偶者間暴力など)やストーカーに苦しむ方々が、身の安全を守るために、加害者から隠れて暮らしている場合、その住所が加害者側に渡らないよう、役所が住民票の閲覧などに制限を加える制度。
例えば。
・夫が妻に暴力を振るっていた。
・妻は暴力に耐えかねて家を出た。
・妻は、当然、夫に居場所を知られたくない。
・妻は、役所に支援措置を申請。
・役所は、夫から妻の住民票の写しや、戸籍の附票を閲覧したいと申し出があっても拒否することになる。
簡単に言うと、そんな仕組みです。
この支援措置が世田谷区では正しく機能していない、という問題をこれまで議会で取り上げてきました。桃野は、この問題に取り組む過程で様々な方とのご縁を頂いたのですが、今日はそのご縁のひとつ、DVや支援措置に取り組む専門家、当事者、自治体職員、弁護士など、様々な方々が集う勉強会に参加させていただきました。
支援措置については、桃野もこれまで一生懸命勉強してきたつもりではありますが、まだまだ知識も経験も不足しています。支援措置に関連して起こる事件は本当に様々で、一件一件の事例を知れば知るほど、今の世田谷区の支援措置に対する考え方では支援措置対象者を救うことはできないと痛感します。
当事者の皆さんがおっしゃっていたことで印象に残ったのは「引っ越しても住民票を移さないという例が多い」という話。その理由は「役所が自分の住所を守ってくれる確信が持てない」ということの他にも「役所の窓口で支援措置の手続きをとりたいというと面倒な人が来たという態度を取られることもある」そう。DVを受けると自己肯定感が失われていることがあり「自分が役所に迷惑をかけるなら支援措置なんてやめよう」という心持ちになる例もあるとのことでした。
ところが、当然、住民票を移さずに生活することで、様々な不都合が生じるわけです。
まず選挙に行けない。これでは支援措置の問題に取り組んでくれる議員に一票投じたいのにそれができない、との意見も出ました。
子どもの進学にも不都合。都内に住んでいるけど住民票は他県に置いてある。都立高校への進学の際、様々な行政機関と何度も折衝を繰り返さないといけなかったという話も。
つまり、支援措置が正しく機能しないことで「被害者の苦しみは続く。加害者は何の不都合もなく暮らしているけど、被害者には生活上の様々な不都合が降りかかってくる」ということなんです。
そして行政機関等で、被害者の方が正しくその状況を認識してもらえないこともあるという話も聞かせていただきました。
例えば。
Aさんが、役所にDV被害について相談。Aさんは、役所で「無料法律相談」を紹介されて利用した。相談相手の弁護士がDVや支援措置の問題に無知であり、弁護士は役所の職員に「Aさんに問題があるのでは」という話をした。役所の職員はその弁護士の話に影響を受けAさんに対し「あなたに問題がある」という態度を取り始めた。勉強会に参加していた弁護士によると「支援措置についてほとんど知らない弁護士」も決して少なくはないとのこと。
もちろん、支援措置を実際に行う立場にある自治体(例えば世田谷区)に支援措置を正しく運用することを求め続けるのが先ずは基本、加えて現在既に明らかになっている「制度の穴」をふさぐための新たなルール作りも必要です。
そして、弁護士などの特定事務受任者も含めて、社会全体で支援措置についての考え方「対象者の命、身体に及ぶ危険を極力排除するための仕組み」であるという認識を浸透させていくことも必要でしょう。
桃野も引き続き取り組んでまいります。
 

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