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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2017-10-07

この文書を透かせば世田谷区政の醜い姿が見える。自分達の立場を守るためには、DV被害者の人権などお構いなし!

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
今日のブログは昨日の「決算特別委員会」の質疑より。
■桃野の質問の様子は世田谷区議会のサイトからご覧いただけます。
さて、支援措置というのは、DV(ドメスティック・バイオレンス)やストーカーなどの被害者を加害者から守る仕組み。DV被害から逃れようと家を出て身を隠している人に対して、加害者や加害者の依頼を受けた第三者が住民票の交付を区に申請しても、交付は拒否されます。例え離婚が成立しておらず、未だ戸籍上の配偶者からの請求であっても。
世田谷区は、これまでこの支援措置で何度も大きなミスをしてきました。「DV被害者の住所を加害者に伝えてしまい、引越しを余儀なくさせた」という事件も起きています。
桃野が、これらの問題を掘り下げていくと、世田谷区は支援措置について正しく理解できていないという根本的な問題に行き着きました。そして、このままでは、取り返しのつかない大きな事件が起きてしまうと区に対して警鐘を鳴らし続けてきました。
例えば直近2度の一般質問で取り上げてきたのは以下の事件。
・DV被害者Aさんについて。
・Aさんは支援措置を受けようと区に相談。事前相談の際「加害者弁護士が住所を知りに来るかもしれないから、その際も住所情報を出さないで欲しい」と念押しまでしていた。
・予想通り、DV加害者の弁護士がAさんの住民票の交付を区に請求してきた。
(請求を受けたのは区の本庁の住民記録・戸籍課)
(請求の理由は裁判所に申し立てをする為とのことだった)
・住民記録・戸籍課は、交付の可否について、区の出張所(住民票を交付する部署)に問い合わせ。
・出張所は総務省からの通達などに基づき「加害者の代理人(弁護士含む)からの申請には応じられない」と判断し「申し立てに必要であれば裁判所に直接郵送する」と判断、その旨を住民記録・戸籍課に連絡。
・弁護士に対し、住民記録・戸籍課は「直接、裁判所に郵送する」と返答したものの、弁護士が「裁判所ではなく、自分に交付してほしい」と主張したことで押し返され、結局は「加害者には情報を漏らしません」と弁護士から一筆取った上で加害者の弁護士に被害者の住民票を交付してしまった。
・DV加害者の弁護士に住所情報が渡ってしまったことを知ったDV被害者Aさんは「いつ加害者に情報が伝わってしまうか」と不安な日々を過ごしている。
これら一連の事務について区は「我々には一切非は無い、間違ったことはしていない」と主張していますが、これは明らかにおかしい。総務省の「住民基本台帳事務処理要領」や他自治体の対応例からも逸脱した行為です。
ところがこの事件が区議会で取り上げられた後、区は自分たちの立場を守るため、「裏」でとんでも無いことをやっていたことが明らかになりました。
本件に問題意識を持った、あるジャーナリストが、世田谷区で起きたこの事件に関連して他区の状況を調べようと取材に入るや、保身のためにAさんの人権を踏みにじるような文書を23区じゅうにバラまいたのです。
おそらく「取材に答える際は世田谷区の立場に十分配慮してね」ということなんでしょうね。ところがバラまかれた文書の中身がひどい!
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(個人情報の黒塗り、赤線、赤枠は桃野がつけました)
まず「関連する区議」って・・・、桃野は世田谷区の支援措置のあり方に問題を感じて議会で取り上げてきたのであって、本件のDV加害者やDV被害者らと何ら利害関係がある立場ではありません。それにもかかわらず「関連する区議」って読む人に何かしらの先入観を与えようとする表現ですよね。
念のために申し添えておくと、本件を取材しているジャーナリストの方についても桃野を取材しているというわけではなく、自治体が支援措置に関連して起こす事件について幅広く取材されている方であって、こちらの方も桃野と何か利害関係があるわけでもありません。
そして、ひどいのがこの先。
「この件の対象者は、被害があると主張しつつも・・・」って。
この件の対象者っていうのは、支援措置対象者(=DV被害者)ですから、これは「この人は、DV被害者であると主張しているが」という意味ですよね。つまり、ここで言っているのは「この人は自分はDV被害者であると言っているが、シェルター等ヘの避難や至急の転居をしていないんです。(本当にDV被害者なんですかね)」と印象付けているようにも思えますが、皆さんはどう読みとるでしょうか。
そして「一度は転居しているが、当時の生活圏を維持しながら現在に至っている方」の表現
これは「本当にDV被害者だったら転々と転居したり、遠く離れたところに転居したりするはずですよね(本当にDV被害者なんですかね)」と印象付けているように思えますが、皆さんはどう読み取りますか。私には、どう見ても区が、本件DV被害者を「なりすまし」と印象付けしようとしているように思えてなりません。
更に、「11ヶ月間被害はない」。
これも「なりすまし」印象操作のように思えますし、事実を捻じ曲げています。「いつ加害者がやってくるかわからない」と恐怖心を常に抱きながら生活せざるを得ない状況に追い込まれるというのは明らかに「被害」です。そしてDV加害者の暴力的な感情は、時間がいくら経とうが何かの拍子で爆発するリスクを排除できないというのは、この分野での常識的な見解です。
そして「加害者弁護士に、加害者に住所を知らせていないか確認した」って。。。
弁護士の懲戒処分って年間100件を超えてるんですよ。弁護士なら必ず約束を守るって保証などあるわけなし。ことが起きてから「あれは弁護士が約束を違えたことだから弁護士が悪い」なんて言っても被害は回復されません。だからこそ、区は当初【弁護士には渡さない、裁判所に直接送付する】という選択をしようとしたのではないでしょうか。
おかしな印象操作をし、事実を捻じ曲げて喧伝し、自分の立場を守ろうとする。その引き換えにはDV被害者の人権をないがしろにしてもお構いなし。私には、この文書から、世田谷区政の醜い姿が透けて見えます。
世田谷区が、この文書で自らの正当性の根拠にしている「住民基本台帳事務処理要領 第5-10-コ(ア)A(c)」については次回のブログで解説いたします。
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