野毛の工事現場で焼夷弾3発が発見された事件。空襲によるものではなく「そこに廃棄されていたもの」という話。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
先日、ブログでご報告した「区立公園拡張工事の現場で焼夷弾3発が発見」について。
世田谷区は現在、玉川野毛町公園の隣接地にある国有地(国交省の等々力宿舎跡地)を買い取り、公園拡張工事を実施中ですが、その工事の最中、さる7月28日の14時ごろ、旧宿舎の解体工事中に、地中より信管(起爆装置)が装着されていない焼夷弾3個が発見されました。
発見された焼夷弾は同日18時ごろ、自衛隊により安全に処理されたとのこと。先ずは大事に至らなくて良かった。
ただ、区議会議員に配布された資料では事の次第が不明で、桃野は今後の工事の安全性などについて情報収集をしていたのですが、本日、区役所の所管課長より詳細についてヒアリングできましたので、続報でお伝えします。
桃野は「地中から焼夷弾が発見された」と聞いて、太平洋戦争の最中に米軍機が落としていったものかと想像していたのですが、どうもそうではないらしいです。今回、発見されたのはドイツ製の焼夷弾とのこと。
ではなぜ、ここにドイツ製の焼夷弾が埋まっていたのか・・・。
この地は国交省の公務員宿舎になる前は、戦地からの引揚者向けの住宅があり、その前には「内務省防空研究所」があったそうです。ちなみにその前はゴルフ場。
ゴルフ場→内務省防空研究所→引揚者用住宅→国家公務員宿舎
こんな歴史をたどっていたんですね。
今回地中に埋まっていたのは、防空研究所で保有していた焼夷弾が、長年廃棄されたままになっていたものと見られています。これまで、焼夷弾が埋もれた土地の上で何度か工事が行われ、そこに集合住宅が形成されていたということですから恐ろしいですね。建物の杭基礎に当たっていたら大事故になる可能性もあったんじゃないかな。
区によると、今後は地中に他に埋設物が無いか念入りに調査しながら、工事を進める予定とのことですが、それにしても気になるのは、区が国からこの土地を取得する前、そしてその後も過去の歴史や埋設物がある可能性などについて、一切把握していなかったということ。
今後は土地取得の際は、地歴調査をする仕組みなどについても検討が必要ですね。そして、今回の焼夷弾発見によって、工事費用や工期についても影響が出るかもしれません。その際は発生費用の分担について、国としっかり話し合う必要も出てくるでしょう。
土の中には何が埋まっているかわからない。本件で肝に銘じなければ。
■焼夷弾が発見されたのは、斜線部「保育園整備予定地」の北側。焼夷弾の処理は現場西側の道路を封鎖して行われました。
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