宮崎謙介衆議院議員の「不倫で辞職」会見に思う。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
週刊文春で「不倫スキャンダル」を報道されていた宮崎謙介衆議院議員(京都3区)が本日記者会見。会見の中で議員辞職を表明したようです。
不倫で議員辞職をした国会議員って過去にいるのかな。
これまでも国会議員の「不倫報道」は数々ありましたけど、議員辞職は初めてのような気がします。
宮崎議員、男性国会議員で初の育児休暇取得を宣言し、”イクメン政策”を唱えていました。
よって今回の一件は、ただの不倫ではなく、政策との言行不一致ということなんでしょうか。
会見の前には、所属する派閥(志帥会=二階派)から擁護の声があがっているとの報道もありましたが、逆に自民党内の強硬派は「離党勧告」や「除名」など厳しい処分を主張しているとの報道。
ところがフタをあけてみれば議員辞職へ。
議員辞職というと、更に厳しい。
国会議員としては、いわば“極刑”です。
宮崎議員自身の意思なのか。
別の要素があるのか。
気になる所ではあります。
さて、若手衆議院議員のスキャンダル。
記憶に新しい所では、自民党の武藤貴也議員(当選2回、滋賀4区)が、金銭トラブルなどを報じられて2015年の8月に自民党を離党したケースがあります。
この武藤議員も前述の宮崎議員も同じく当選2回で、選挙前に党の公募に応募して選挙区が決まったいわゆる落下傘候補。その地の出身であったり長く生活していたりという経歴の無い候補者でした。
そして武藤議員、宮崎議員がともに当選した選挙(当選2回)をみると以下。
1)第46回衆議院議員総選挙
・野田内閣のもとでおこなれた「近いうち解散」によるもの
・改選数480議席のうち自民党が294議席(改選前119議席)を獲得
・自民党は単独で絶対安定多数を獲得し、政権に復帰した
2)第47回衆議院議員総選挙
・「アベノミクス解散」。安倍内閣が消費税再引き上げの延期を掲げて戦った選挙
・改選数475議席のうち自民党が291議席を獲得
・自民党、公明党の与党合わせて議席数の3分の2以上を維持した
2回の選挙とも自民党の圧勝という選挙です。
小選挙区制のもとで行なわれる選挙は政党と政党の戦いです。
その選挙区から1名の当選者を選ぶのですから。
この2回の選挙を通じ、京都2区で「宮崎謙介」に投票した方の多くは、宮崎候補者の政策や能力、人柄などではなく、自民党という政党を選択したという意識ではないでしょうか。
一方、これが中選挙区制や大選挙区制となると少し様子が異なります。
例えば世田谷区議会議員選挙の場合、50議席を80人程度の候補者が争うことになります。
前回の選挙を例にとれば、50議席を争う選挙に、候補者は82人。
その82人の候補者中、自民党公認の候補者は18人でした。
そうなると、その18人は「自民党の政策」をアピールするだけでなく、自分ならではの政策や能力をアピールする必要があるわけです。
まさか「自民党の候補者であれば、誰でもいいので投票してください」と訴える候補者はいませんよね。
(それでも先ずは自分の支持政党で、次にその中から誰かを選ぶ、という方が多いとは思いますが)
話しは戻って小選挙区制。
つまり小選挙区の場合、当選者は1人ですから、選挙区内に同じ政党に属する対立候補はいません。
よって、有権者に示す選択肢は政党の政策です。
仮に「見識や能力に問題がある」「地元のことを何も知らない」などの候補者であっても、所属する政党支持率の高さに乗って当選をする、という結果が起きやすいということは否定できません。
※念のため
候補者の公募、選挙制度の違いにはそれぞれ一長一短があり、特定の制度を全否定する考えではありません。
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