安全で、快適に自転車でスイスイ移動できる街に!②
先日のブログで取り上げたコミュニティサイクルについて。
近年、コミュニティサイクルを都市交通の一環と位置付け、導入を進める自治体が増えてきました。
世田谷区では、既に2007年にコミュニティサイクルを導入し、先進的に取り組んで来ました。
しかし利便性はまだまだ。区民に活発に使われているとは言い難い状況です。
先ずは下の図を参照。
世田谷区内を走る鉄道路線は都心と郊外を結ぶ東西方向が中心。
区が、鉄道の無い南北交通の補完手段と位置づけ整備を進めたのがコミュニティサイクルだったのです。
(※図では等々力が構築予定となっていますが、平成23年にスタートしています)
ところが2007年の導入から7年たった今、利用者の動向を調べてみると、区の思惑は全く実現されていません。
実に9割の方が”借りたところに返すレンタサイクル型”の利用となっているのです。
数少ないポート間の移動も桜上水と経堂間に集中していました。
そして、桜新町と等々力はレンタサイクル型も含めて、利用者が非常に少ない。
簡単に言えば、区は”ひとりよがり”で「南北交通の補完」と位置づけ整備を進めましたが、利用ニーズも利用動機も全く浮世離れしていたということです。
桃野は「南北交通の補完」にこだわってはいけない、当初の計画から大きく方向転換し、区民の利便性を高める方向で整備を進めるべきと決算委員会で取り上げました。
コミュニティサイクルについては、国交省が全国の自治体の導入事例を研究した資料があり、これを読んでみると導入各自治体の事例がよくわかります。
もちろん比較するうえでは地理的条件、ライフスタイルの違いなど考慮しなければいけない点はありますが、成功例から読み取れる大きなポイントは以下の2点。
①サイクルポートが1.5km~2km圏内に集中して設置されている
②買い物、観光、通勤・通学など利用者のニーズを捉えてサイクルポートが配置されている
世田谷区で言えば
・三軒茶屋や下北沢などに集中的にポートを設置して繁華なエリアを回遊してもらえる仕組みづくり
・複数の商店街を結ぶように、ポートを設置
・大学や病院、役所など公共性の高い施設と駅を結ぶようにポートを設置
南北交通の補完などではなく、こういった考え方に改めるべきでしょう。
(既存の交通インフラの利用動向、人の流れの調査は必要)
ポートの設置手法についても
・道路上に設置
・ポートを設置するマンションには公開空地として算入を認める
・商店街の空き店舗を活用
などの手法が考えられます。
そしてもう一つ、コミュニティサイクルの利便性向上のカギは他自治体との連携。
長くなってきましたので、この点については次回ブログでご報告します。
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