行政は、成果指標を定めて仕事をマネジメントすることが極端に苦手。苦手というより否定している向きさえある
日経新聞のコラム「やさしい経済学」が好きで、いつも目を通しています。
現在、連載中のテーマは、東京大学大湾秀雄教授の【良い組織・良い人事】
今日は”成果主義”について取り上げられていました。
1990年第後半から、2000年代にかけて日本の企業が多く取り入れていた成果主義。
私も大学を卒業し、会社員になったのが1995年でしたので、入社したころ人事評価ではかなりこの言葉が多用されていました。
この成果主義を大湾教授は「戦国武将のインセンティブは論功行賞」「勝ち戦に乗って貢献し、多くの領地を手に入れたいとの欲求が情報収集意欲と命を懸けた戦いへの意欲を高めた」と引いてわかり易く説明しています。
そして、現代の多くの職業の”論功行賞”に関する問題点として「戦の勝利とそこで討ち取った首の数のような客観的な成果指標が無く、成果全体が正確に測れないこと」「成果指標で測れないことが無視され、例えば同僚との協力・連携が阻害される、目標設定や販売計上時期を操作するという事が起こる」としています。
■4/16日経新聞より
成果指標が客観的でないということですね。
成果主義を掲げる会社のサラリーマン(またはサラリーマン経験者)であれば肯ける話だと思います。
翻って公務員の世界はどうでしょうか。
見る角度は少し異なりますが、成果指標が客観的でないという意味では同じことが言えます。
これまで議会で何度もとりあげてきましたが、行政機関は、成果指標もしくは達成指標を定めて仕事をマネジメントすることが極端に苦手です。更に言うと、苦手というより、そのマネジメント自体を否定している向きさえある。
以前ブログでも紹介したことがありますが、例えば世田谷区の「健康せたがやプラン」に記された「評価指標とめざす目標」。
区民の「主観的健康感」や「健康状態」を評価指標で表した(?)としているのですが、目標のところに書いてあるのは「増やす」「伸ばす」「減らす」の文字。
要は”現状よりも良くします”と言っているだけ。
新たな取り組みに対する目標ですから”現状より良くします”は当たり前なのに。
現状を数値で示しているなら、目標も数値で示すべきでしょう。
これを目標と表現し、区民の皆さんの前に堂々と出してくるのが区役所の感覚です。
だから、桃野よしふみはこれまでも、委員会や本会議を通じて「成果指標を定めて仕事をし、そして、その結果の検証・評価をしながら、不断の改善・改革を行いましょうよ!」と訴えているわけです。
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