都知事選挙の供託金は300万円。候補者56人のうち「供託金没収」となったのは何人?
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
小池百合子氏が3選を決めた東京都知事選挙。投票率は前回の55%を大きく上回る60.62%でした。関心が高かったのは話題性が高かったからでしょうか。
立候補者は過去最多の56人。
選挙とは全く関係のない”ほぼ全裸の女性”のポスターが掲示されたり、政治団体「NHKから国民を守る党」がポスター枠の事実上の販売をしたりと当選を目的としているとは思えない候補者も多く立候補しました。
日本の選挙制度は、自由な政治活動と公平性を重視したものになっています。今回、その自由がどこまで許容されるのかとの課題が社会に突きつけられたのではないでしょうか。選挙は当然、税金を使って行われています。
選挙が税金を使って行われている以上、遊び感覚や売名を目的とした立候補は困ります。よってそうした立候補に歯止めをかける制度として機能して来たのが「供託金制度」。供託金は選挙によってその金額が異なり、例えば都知事選挙は300万円です。
立候補するためには届出前に法務局に300万円を供託しなければなりません。この300万円は法で定めれた一定の票を得ることができなければ全額没収されてしまいます。
都道府県知事の供託金は300万円、供託金没収点は有効投票数の1/10です。7月7日に行われた今回の都知事選挙の有効投票数は682万3242票。よって没収点は68万2324.2票ということになります。
今回の選挙では得票数上位3名のみ、没収を免れるという結果。”没収点越え”は結構なハードルの高さということがわかるでしょう。
ところが今の時代、300万円払ってでもネットでバズれば安いもの(動画の再生回数に応じた収入でペイできるなど)という動機も生まれてしまっているようです。
ちなみに桃野が区議会議員選挙の度に供託してきたお金は30万円。区議会議員選挙の没収点は以下のように計算します。
【供託金没収点=有効投票総数÷議員定数÷10】
前回(2023年4月)の世田谷区議会議員選挙の供託金没収点は以下。
供託金没収点=335,716票÷議員定数50÷10=671.432
50議席に対し、75名が立候補した選挙でしたが、得票数74番目(524票)、75番目(243.924票)の2名の立候補者が供託金没収点を下回りました。
供託金の金額の違い、没収点の計算方法の違いから考えれば、基礎自治体の議員を選ぶ選挙は、より多くの方が立候補できるよう制度が設計されているとも言えるでしょう。
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