医療的ケア児の区立校での受け入れ。もちろん安全は大前提。だから保護者は校内待機?区教委は何かあった際の責任を保護者につけ回す態度では無いのか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
先の一般質問では医療的ケア児が通学する際の「保護者の校内待機」の問題についても、引き続き取り上げました。
医療的ケア児(医ケア児)とは、日常生活や社会生活を営むため、恒常的に人工呼吸器による呼吸管理や喀たん吸引などの医療行為を受けることが不可欠な児童。
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区立学校にて看護師配置の充実を。「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行されています。世田谷区は法の趣旨に則した対応を。
この問題に取り組み始めたのが2021年9月ですから、もう2年近くが経過しました。
その後、世田谷区教育委員会の思い腰も少しずつ上がり始め、令和6年2月には「医療的ケア児の円滑な受け入れに向けたガイドライン(案)」を策定するとしています。
桃野がこれまで議会で「取り組みを急ぐべき。早期に受け入れ実現を」という趣旨で取り上げてきた際、区教委は「指摘を重く受け止め早急な形で何らか対応を進めていきたい」(2023年3月7日予算特別委員会で答弁)と答えています。
あれから3ヶ月以上経ちました。今回「早急な形で何らかの対応」の進捗について問うと以下の答弁(一部抜粋)。
・人工呼吸器の管理については、個別性の高い、高度な医療的ケアであるとともに、トラブルが発生した際の安全性の確保が必要であり、保護者へ丁寧に説明を行い、校内での待機をお願いしている状況。
・区立小・中学校等における医療的ケア児の円滑な受け入れにかかるガイドラインの今年度末の策定に向けて、検討を行っている。
・個々の医療的ケア児の状態に応じた、看護師、学校、保護者の役割分担や連携体制、緊急時の対応等の校内における具体的な支援体制など、十分な安全性の確保を整え、保護者の校内待機を段階的に解消ができるよう取り組む。
先ずおかしいのは「早急な形で何らかの対応」と議会で答弁したにも関わらず、結局そのようなことは何もやっていないということ。
そして次に、トラブルが発生した際の安全性確保というなら、保護者の校内待機を解消するかどうかの前に、今すぐ看護師配置を行うべきでは無いかということ。仮にトラブルが発生したとして保護者と看護師でどちらが対応できることが多いかは明々白々。
もちろん安全性の確保は大前提。しかしそれを声高に唱えて「保護者の校内待機が必要」というのでは、何かあった際の責任を保護者につけ回す態度に思えてなりません。
引き続き、早急な看護師配置など安全性の確保、保護者の校内待機解消に向けて取り組みます。
今回の質問の様子は、以下の動画でご確認ください。
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