コロナ休校の中で「勉強に不安を感じた」「計画的に学習を続けられなかった」と答えた児童生徒は、そうでない児童生徒に比べ学力調査の正答率が低い。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
文部科学省は昨日(2021.08.31)、今年5月に実施された「令和3年度全国学力・学習状況調査」(全国学力調査)の結果を公表しました。本日は新聞各紙、テレビニュース等でも大きく取り上げられています。
全国学力テスト結果 休校の長さによる正答率の差 確認されず #nhk_news https://t.co/9M9SIZwne2
— NHKニュース (@nhk_news) August 31, 2021
全国学力調査は、昨年度はコロナ禍で中止になっていますので2年ぶりの実施。全国の国公私立学校に通う小学校6年生と中学校3年生、約194万人が参加しました。
この時期ですからやはり「コロナ休校」と学力の関係は気になるところ。休校の影響で学力が下がるのではないかと懸念する向きもありましたが、結果について文科省は「臨時休業期間の長さと各教科の平均正答率との間には、全体でみると相関は見られなかった」としつつ「更に詳細な分析を行うことが必要(例えば、児童生徒の家庭状況による影響等)」としています。
休校期間の長短と、そこに通う児童生徒の正答率に有意な差は見られなかったという分析がされているということ。学習の遅れが出ないよう、休校中又休校明けの学校のフォローが適切に行われていたとしています。
今後は詳細に分析が行われるということですから、それを待ちたいと思いますが、休校の影響が学力面には及んでないとのことですから、先ずはそれは良かったと思います。
一方で、気になるのは児童生徒の不安感と正答率に相関関係があるとの分析。
調査結果には以下の記載があります。
◆臨時休業期間中「勉強について不安を感じたか」との質問について「当てはまる」「どちらかといえば、 当てはまる」と回答した割合は、小6で55%、中3で約60%。
◆臨時休業期間中、「計画的に学習を続けることができたか」との質問について肯定的に回答した割合は、小6で約65%、中3で約40%。
◆臨時休業期間中、「規則正しい生活を送っていたか」との質問について肯定的に回答した割合は、小6で約65%、中3で約50%。
そして新聞記者による取材によるものでしょう。朝日新聞の記事では「休校中、勉強に不安を感じたという児童生徒が半数を超えた。不安を感じた子は学力調査の正答率が低い傾向」としていました。(詳細は以下リンクから記事をご覧ください)
【休校で学習不安の子、正答率低く 全国学力調査の結果】(2021.09.01 朝日新聞)
休校で学習不安の子、正答率低く 全国学力調査の結果 https://t.co/jiBwBGOJn0
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) August 31, 2021
親が在宅(コロナの影響による在宅ワークなど)で子どもをサポートできる環境にあるか、児童生徒が学習塾に通うなど休校期間でも計画的に学習に取り組みやすい状況かなど。こうした学校外の環境が学力に影響を与えている可能性もあるように感じます。
全国学力調査の結果については、以下リンクから全体をご覧いただけます。
【令和3年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について】(文部科学省のサイト)
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