豊島区議会では、共産党区議団に猛省と謝罪を求める決議。そこで思い出したのが議会で選挙違反を追及されての「世田谷区長の謝罪と反省」。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
一昨日、豊島区議会で「日本共産党豊島区議団に対し、猛省と謝罪を求める決議」が可決されたようです。
【日本共産党豊島区議団に対し、猛省と謝罪を求める決議】(2021.07.15更新 豊島区議会のサイト)※内容については本ブログ末尾に掲載しました。
選挙に出た経験のある方以外は余りご存じでないかもしれませんが、選挙期間中をのぞき、名前入りのタスキをつけて街頭演説をすることは法律違反です。
桃野は、コロナ禍の中でもう一年以上自粛している朝の駅頭活動ですが、自粛前の駅頭活動でタスキをつける場合は「区政レポート」をお配りしていることが道ゆく人に伝わりやすいよう「世田谷区議会議員」と記したタスキをつけて活動していました。
例えばこんな感じ。
そして、選挙期間中に限り、名前入りタスキを着用です。
桃野も世田谷区内で ”選挙期間中以外に” 名前入りのタスキをかけて活動する共産党の議員を見かけたことは何度もありますし、その度に「なんで平気でルールを破るのか」と憤っていましたが、これまで色々なところでやっているんですね。豊島区では議会で決議されるまでに至ってしまいました。
そして、ちなみに保坂展人世田谷区長も堂々とこの法律違反をしていた前歴があります。世田谷区議会、平成24年3月7日の予算特別委員会では、大庭正明議員と保坂展人世田谷区長との間で以下のような質疑がありました。
以下は一部抜粋です。全文については、世田谷区議会のサイトより、平成24年3月7日の予算特別委員会議事録をご確認下さい。
◆大庭正明 委員
(略)私がこれから質問を申し上げたいのは、区長に質問したいんですけれども、実は私のところに耳を疑うような情報提供がありました。というのは、区長がこの十一日から十六日までの間にたすきをかけて政治活動をしていたという情報が私のほうに寄せられました。これで、まずお聞きしたいんですけれども、それは事実でしょうか。区長にお聞きします。
◎保坂 区長
この一週間の間、確かに街頭演説等をしましたが、そのときにたすきをかけていたかいないかということについて、写真等で確かめてみましたが、私が持っている写真はしていない写真でした。ですから、いろいろちょっと記憶ですから、確実にそれはしていないと、全部ないというふうには言えないです。その辺記憶はあいまいです。
◆大庭正明 委員
(略)区長の記憶を確かにするような情報が寄せられております。これをごらんください。(桃野注:保坂区長がタスキをかけて街頭演説している写真を掲げる)これは、区長にご記憶を正しくしてほしいんですけれども(略)ツイッターでも、四月十一日の早朝は、経堂で、駅前で演説をしますというふうなツイッターが、区長、残っていますから、恐らく四月十一日というのは区長はここでやられたんだと思うんです。このとき、これはもうたすきをしてやっているわけです。ここは経堂駅という駅が入っております。それから、これがたすきかどうかということについては、正面から撮った写真があります。
これが正面から撮った写真です。恐らく区長とかなり親しい方が撮られたような写真ではないかと。黒塗りの部分は、民間というか、ほかの方ですから、関係ないので、黒塗りをやっていますけれども、要するにこの二枚の写真があって、これはたすきをかけているんですけれども、記憶を思い出されませんか。
◎保坂 区長
その写真を見たときに、それは何日という記憶まではありませんけれども、今おっしゃった経堂駅前というところで、そのときの写真なんだろうと思います。
◆大庭正明 委員
では、選挙違反をしていたということはお認めになるんですね。
◎保坂 区長
その時点で明確に公職選挙法に違反しているかどうかという認識はありませんでした。
◆大庭正明 委員
たすきをすることが選挙法違反になるという認識はなかったんですか。
◎保坂 区長
明確にはありませんでした。
◆大庭正明 委員
(略)確たる根拠となるものをもう一つだけ例示しておきます。(略)これが、本人のご了解をいただいて、議員のブログなんです。このブログは五月一日のブログなんです。そこに書いてあるのは、選挙戦直前の四月十五日、下高井戸駅前で京王線高架の都市計画案見直しをともに訴える保坂展人区長候補予定者(当時)と書いてあるんです。四月十五日です。金曜日です。この形で相変わらずたすきをしているわけです。これは木下議員の一応許可を得た上で出しておりますので、もちろんこれは日付がどうだと、そこまではわかりませんけれども、ここまでの証拠というか、堂々と載っているわけですから、区長は選挙違反を、じゃ、今までずっとたすきをしていたんですか。三回にわたって国政選挙に出られて、当選しているわけですよね。それ以外でも選挙をやっているわけですよね。ということは、今の発言でいくと、ずっと認識がなかったということは、選挙戦の前からたすきをかけていたということなんですか。
◎保坂 区長
いわゆる選挙期間前は政治活動だということは、委員おっしゃっているとおりです。その政治活動の中で、先ほど選管の説明にありましたけれども、政治活動の中でも、一定の会場内でなければ違反というふうに指摘できるという話でしたが、その政治活動の範囲の中であり得るという認識だったと思います。
◆大庭正明 委員
(略)過去に常習的にやっていたんじゃないかと疑わせるような発言があって、しかも選挙というのは、これは有権者にとって最大の区民参加のチャンスなんですよ。機会なんですよ。ですから、この選挙を、そういう有権者をたばかるというか、やってはいけないことを堂々とやってしまうような人が区民参加をうたうというのはいかがなものかと。(略)区長は、この選挙違反について今まで認識がなかったと、ここでさっきの選管事務局長の答弁があって、自分がしていたという記憶が戻って、自分が選挙違反をしていたという認識に至ったと思うんですけれども、そのことについて、区民、有権者に何か申し開きというか、そういうのはあるんですか。(略)
◎保坂 区長
今委員からご指摘いただいた選挙前の政治活動の中で、そういった不適切なたすきをかけていたということに対しては重く受けとめ、また、今区長として、選挙管理委員会も含めて公正な選挙をつかさどっていく、そういう立場からは大変申しわけなかったと思います。以後、戒めとしたいと思います。
抜粋引用は以上です。
最初は記憶がないとか、違反している認識は無かったとか言い逃れをしようと必死の様子だった保坂展人区長ですが、最後は大庭議員の厳しい追及に「申し訳なかった」と謝罪をし「戒めとしたい」と反省をしています。
しかし、これは申し訳なかったで済まない問題。選挙はルールに基づいて公正に行われなければなりません。違反してでも知名度を上げたい、違反してでも当選すればいいという考えは民主主義の敵です。保坂区長がこんなことをやっていたのですから、この選挙で戦い、保坂区長に敗れた候補者の方々は納得できないのではないでしょうか。
一事が万事。
国政選挙も含めて何度も選挙に出ている保坂区長。タスキについてのルールを知らなかったというその言い訳をどれほどの方が信じられるでしょうか。
「選挙違反をしてでも当選すればいい」などという考えの方に、公平公正な仕事ぶりなど期待できません。保坂区長は胸に手を当てて考えてもらいたい。
ルールを守る方が馬鹿を見る。そんな選挙にしてはいけないのです。
以下は豊島区議会での決議です。
■日本共産党豊島区議団に対し、猛省と謝罪を求める決議
本年5月16日、要町駅前において、日本共産党所属の東京都議会議員選挙候補者による街頭演説が行われた際、同候補者は本人の氏名が記載されたタスキを着用し、街宣車両の側面には、同じく候補者名の記載された懸垂幕が設置されておりました。この行為は公職選挙法第143条第16項において認められない禁止行為であり、同法は第243条でこれに違反した場合の罰則として2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処するとも規定しております。
しかるに東京都選挙管理委員会も昨年12月23日、平常時における政治活動用文書図画掲示の規制について、わざわざ具体事例を示して「公職の候補者等が、氏名を記載した『たすき』の着用や街頭演説の際に候補者等の氏名等を記載した看板やのぼり等を掲示することなどはできません。」との注意文書を全政党に配布したのであります。
したがって、こうした明白な違反行為に及んだ場合は、すみやかに非を認め、謝罪をするのが普通の良識ある人間であり、議会人であるならばなおさらであります。しかしながら、この行為を指摘された日本共産党豊島区議団は「本来、規制するものではない」「名札を付けるのは当然」等と開き直り、今日に至るまで言い逃れを続けております。また、その後も長期間にわたり、タスキや懸垂幕を掲示した同街頭演説会の画像をツイッターなどに掲載し続け、さらには、その後複数日にわたり、氏名が記載された懸垂幕を街宣車両に設置するなど、一切、非を認めることもなく、なんらの反省も謝罪もなく違法行為を続けているのであります。
このような行為と主張は民主主義、法治国家にある一自治体の議会として断じて認めることはできず、見逃すこともできないのであります。よって豊島区議会として日本共産党豊島区議団に対し、猛省と謝罪を求めることを決議いたします。
令和3年7月14日
豊島区議会
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