今日は衆議院議員会館へ。DV被害者、ストーカー被害者への「支援措置」の問題点を衆議院の方々にお話しして来ました。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
今日は久々に衆議院議員会館へ。これまで取り組んできたDV(ドメスティック・バイオレンス)被害者、ストーカー被害者等に対する「支援措置」の問題について、国会議員の方々にお話しするため足を運んで参りました。
これまでもブログでお伝えしてきましたが、簡単に経緯を振り返ると以下。(過去ブログ参照)
・世田谷区民Aさんは、日々夫に暴力を振るわれていた。
・いよいよ命の危険を感じて子どもとともに家を出て、母子で暮らし始めた。
・子どもは小学生、子どもの学校生活や自らの就職に支障が出ないよう、住民票については正しく区役所に届けを出したが、その際、区役所にはDVの事情を話して支援措置を受ける事ととなった。
・Aさんは支援措置を受けるとともに、念のため「夫の弁護士が来ても住所は開示しないでほしい」と申し添えており、区の担当の職員は「弁護士であっても開示しない」と口頭で約束をしていた。
・しかし、実際はAさんの知らぬ間に、役所が、DV加害者(=元夫)の弁護士にAさんの住所を開示してしまっていた。
・あるきっかけでAさんはDV加害者側に住所が渡っていることを知り、区役所に抗議。新たな場所に逃げたいので転居費用を負担して欲しいと役所に交渉していたが、区役所は「弁護士が、加害者本人には住所を伝えないと約束したのでAさんの住所を開示した。区の対応に全く問題はない」「Aさんには実際に被害は発生していない」としてAさんの転居費用を支払うつもりは無いと回答し続けている。
・保坂展人世田谷区長は、この問題を記者会見で問われた際にも「区の対応に全く問題は無い」としている。
桃野は、この問題について、世田谷区の問題としてだけでなく、他の自治体の対応や国(総務省)の見解などについても調査を進めてきました。わかってきたのは「鉄壁の守り」でDV被害者・ストーカー被害者の安全安心を守っている自治体もあるということ。「被害者の住所情報を守る」これを第一義として理論を構築し、この問題の先頭に立って取組んでいる自治体もあるのです。
それに比べて世田谷区は・・・、世田谷区長の認識は・・・、
弁護士に強く押されたぐらいで、加害者側弁護士に住所情報を開示してしまう世田谷区。まさに「月とスッポン」と言っていいでしょう。では、なぜこういうことが起きるのか。総務省が示す「住民基本台帳処理要領」に曖昧さがあるのも理由の一つだと考えています。簡単に言うと「自治体の裁量」を認めている部分が問題を招く一因となっています。
例えば。
DV被害者の依頼を受けた弁護士がDV被害者の住所情報を取得しに、役所に来たとします。その際、役所の職員が利用目的を尋ねると「裁判を起こすから必要だ」と答えた。こんな場合、「DV加害者の弁護士に住所情報を開示せず、裁判所に直接住所情報を送付するのが望ましい」と総務省は各自治体に示しています。
「弱者救済という観点からみれば、総務省の示す通りにやるだろうと」と思いきや、弁護士に「裁判所ではなく、自分に交付してくれ!」と強く出られると「”〜望ましい”だから、弁護士の主張を突っぱねることはできないよな」とヨレヨレっとなる、世田谷区のパターン。
保坂展人世田谷区長も「世田谷区の対応は総務省の示すものと違うではないか」と記者会見で問われると「総務省は一般論を示しているだけ。個別の事案ごとに判断することが許されている」という趣旨で答えています。そういう理屈で、DV被害者の住所が加害者側に渡ってしまう余地がある(現に世田谷区長はそういう理屈で自らを正当化している)なら、日本全国きちっと一律で「DV被害者の住所情報を守ることが最優先」という基準、仕組みを作らなければなりません。今日は、様々な立場にありながら志を同じくする仲間と、国会議員に話をしてまいりました。
お会いしたお一方より、「政治的な配慮」について言及があったので、誰とお会いしたかは現時点伏せさせていただきますが、皆さん、我々の話には熱心に耳を傾けていただきました。少しでもDV被害者、ストーカー被害者への支援措置がより安全、安心な制度となるよう引き続き行動してまいります。
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