我が国のセーフティーネットを支えてきた仕組みが今、危機を迎えています。役所も危機感を持った取り組みを!
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
これまで、世田谷区が徴収する「国民健康保険」について議会等で取り上げてきました。
年間24億円超の不納欠損額があり、そのうち約18億円が「時効消滅」してしまっているという話。
桃野が議会で具体的に政策提言を繰り返してきて、少しずつではありますが改善に向けて動き始めております。
先の予算特別委員会では、さらに突っ込んだ質疑を行うつもりだったのですが、持ち時間が足りなくて取り上げ切れなかった部分も。
「これから引き続き、議会で政策提言を続けていかないと・・・・」
と考えていたタイミングで、予算特別委員会で取り上げようと思っていた施策と共通するニュースが、今朝の新聞で取り上げられていました。
【国民年金の強制徴収、所得基準下げ決定 17年度300万円に】(2017.03.30日経新聞)
厚生労働省が、国民年金の保険料を強制徴収する基準を2017年度に引き下げると発表しました。現在の基準は年間所得350万円。これを300万円へ改めるとのことです。
残念ながら、国民の人として負担すべき保険料を、支払い能力があるにも関わらず支払わない人っているんです。そこで督促、催告、戸別訪問などを行っても尚、支払いに応じない人に対して、財産を差し押さえて強制的に徴収することを強制徴収と言います。
今回の所得基準引き下げは、厚労省が悪質な滞納者を見過ごさない姿勢を強めたことを示していると言って良いでしょう。
さて、これまで桃野が取り上げてきた、世田谷区の国民健康保険料の問題。
簡単に言えば「区は徴収事務を適切に行っていない」「滞納者については決められたルール通り、財産調査を行うこと」「財産調査の結果、所得や財産があれば差し押さえ、何らかの理由で支払い能力が無い人は適切に執行停止にせよ」ということです。
徴収事務を適切に行うため、課をまたいだ組織体制の見直しなどが必要だと具体的に政策提言してきたというのが、これまでの流れ。
次に取り上げようと思っていたのが、事務の「優先順位付け」でした。
国民健康保険は、ざっくり言えば、所得に応じて負担が決まる仕組み。当然、担当所管は「課税情報」を承知していることになるわけです。なので、たくさん稼いでいるのに、これまで一回も払っていない(つまり、払う気がない)人を抽出して、重点的に対応していくべき。役所の限りあるマンパワーの中で最大の成果を上げなければならないのですから。
悪質さの度合いについて基準を持って判断し、対応の優先順位をつける。
お金があるのに払わない。つまり悪質性が高いところから取り組んでいけば、「より大きな成果が上がる」ということです。逆に言えば「何らかの事情があって支払えない人については、即座に強権的な対応はなされ無い」ということにもつながるということですね。
年金にしろ、国民健康保険にしろ、財源不足は深刻です。これまで我が国のセーフティーネットを支えてきた仕組みが危機を迎えているといっても過言では無いでしょう。役所も危機感を持って、悪質な未納者への対応含め、持続可能な制度の確立に汗をかかなければなりません。
■こちらは今朝(2017.03.30)の東京新聞
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