人によって受け止め方が曖昧な言葉で、個人の権利を縛ったり、広げたりしてはいけない。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
本日のブログも桃野一般質問より。
世田谷区議会、本定例会に「区営住宅等の入居資格要件を変更する条例改正」3件が提出されています。
この改正条例については、既に2月7日の都市整備委員会で、区側から提出議案として報告済み。
そして、そこで示された「改正理由」では、「性的マイノリティを理由とした差別」や区が要綱で定める「同性カップルがパートナーシップの宣誓を行う取り組み」に触れながら「同性カップルの住まい確保の支援策を具体的に示すため」とされています。
一方で、改正条例を見ると「区長が認めるときは、同性者(つまり男同士や女同士)が、区営住宅等で、同居して共同生活を送ることができる」旨のシンプルな内容。条例上これは、同性カップルの住まい確保というよりも、いわゆるシェアハウスなども含めた共同生活を可能にする条例となります。
改正条例には他に、入居資格を制限する記載として「規則で定めるものに限る」とありますが、条例改正に伴う新たな規則は未だ明らかになっておらず、規則で何を制限するのか現時点知ることはできません。そして今後、規則が定められるにしても、規則は区長の一存で如何様にもなるものですから、これでは、議会が条例で何を定めたのかわからなくなってしまいます。(条例の核心部分が規則に委任されてしまっている)。
更に本来、規則とは「区長が権限に属する事務」について定めるものですから、仮に本規則が「権利の制限」を定めるものならば、明らかにその役割を超えています。
私は、性的少数者の人権擁護には賛成です。
しかし区長が「良いことをやっている、美しいことをやっているのだから、議会は反対できないだろう」と言わんばかりに、法令に定める条例、規則の位置付けを蔑ろにし、議会の機能を骨抜きにすることには、強く警鐘を鳴らさざるを得ません。
本改正条例では、渋谷区の「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」のように、明確に「性的少数者の人権の尊重」などの文言を盛り込んだ上で、入居者の資格要件を広げるべきです。
区側の答弁は「規則は書類提出などの手続きを定めたもので、問題はない」との内容。その一方で、その提出書類のうち「申述書」で「お互いがパートナーとして認め合っていること」「継続的に共同生活を営んでいること」を確認すると言っています。
結局は、区長が自らの裁量で自由に決めることができる「規則で」、そして「人によって受け止め方が曖昧な言葉」で、個人の権利を縛ったり、広げたりしているということ。なぜ、こんなおかしな作りにしてしまうんでしょうね。
区は、改正理由で示す内容を、条例の中に「定義できる言葉」で、きちっと書き込むべきです。
これが桃野の主張。
繰り返しになりますが、政策の趣旨には賛成していますが、行政がこんなやり方で押し通そうとする姿勢にはどうも釈然としません。
質問の様子は世田谷区議会のホームページで動画でご覧いただけます。
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平成29年第1回定例会
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2月24日本会議、一般質問
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