児童虐待の加害者。実父、実母は全体の64%を占めます
児童虐待。
新聞やテレビのニュースで触れるたびに、心が締め付けられます。
子どもたちが為すすべなく、暴力にさらされ、命まで奪われるケースが後を絶ちません。
しかも、児童虐待のうち、その6割以上が実の父母によるものであるというデータ(※)もあります。
児童虐待は家庭内だけの問題ではなく、社会全体での取り組みが必要です。
そんな中、厚生労働省では、毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置づけ、集中的な広報・啓発を実施しています。
世田谷区でも先日、区内にある昭和女子大学にて関連イベントが行われ、私も参加してまいりました。
先ずは渡辺久子さん(慶応義塾大学医学部小児科専任講師)による基調講演。
その後、渡辺さんに加えて、松田妙子さん(NPO法人せたがや子育てネット代表)、飯田政人さん(社会福祉法人福音寮施設長)、山本雅世さん(自主保育 野毛風の子)、竹中大剛さん(世田谷区子ども部子ども家庭課長)によるシンポジウム。
それぞれの方が、それぞれの立場で虐待防止の観点から、子育て支援についてのお話をされました。
13:30~17:00と長時間のイベントでしたが、気づけばあっという間の3時間半。
今回私は、渡辺久子さんが子育てにおける男の役割について熱心に語っておられたのが印象的でした。
例えば
【母親に強いストレスを与える男の例】
・高学歴、社会的地位が高い、高収入といったいわゆるエリート男性は要注意
・仕事を通じて、疲弊して家庭に帰ってくる中で、妻への労りがおろそかになる
・外で話をし、話を聞き、活動していると、帰宅してからは人の(妻の)話を聞きたくない
・母親は家庭での生活の比重が大きく、育児によるストレスや悩みを聞いてもらう相手は夫しかいない
・「俺は疲れているんだ、そんな話は聞きたくない」という態度が夫婦関係を不安定にする
・夫婦関係が不安定になることで、子育てに重大な影響が出る
・一日一時間でもいい、男は母親を育児から解放する時間をつくるべき
児童虐待には様々なケースがあります。
あくまで一つの例示とは理解しつつも、男への警句として受け止め、話を伺っておりました。
ごくごく日常の、身近なアクションではありますが、世の中の男性の家庭でのふるまいが、児童虐待の防止に大きな成果を生むのではないか。
隗より始めよ。
私も肝に銘じます。
※警察庁のまとめによると、2012年一年間に警察が摘発した児童虐待事件では、加害者353人のうち、実父143人、実母83人で、父母合計は全体の64%を占めた。児童が死亡したケースに限ると、加害者28人のうち、実母が21人と大半を占めている。
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