世田谷区役所の懲戒処分の指針改定。桃野が求めてきた「加重要件の見直し」も実現しました。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
法令に違反したり、組織の規律を乱したり、同僚や区民に迷惑を描けたりする職員には厳しく対処するのは組織を維持するためには当然のことです。
しかし不祥事を起こした職員に何らかの処分を下すにしても、組織の長がそれを恣意的に行うことは許されません。それはそれで組織の崩壊につながるでしょう。
世田谷区役所の職員が不祥事を起こした場合は、区が定める「懲戒処分の指針」に基づいて懲戒処分を受けることになります。よって、懲戒処分の指針は、組織の規律を維持するために大切なもの。
桃野はこれまで、世田谷区役所職員への懲戒処分を巡る事例について分析し、懲戒処分の指針の改訂が必要だと議会で取り上げてきました。
例えば、職員への懲戒免職処分(クビ)が取り消され、停職処分になった事例など。
【懲戒処分の指針」も見直す必要あり。区に提言してきました。「非違行為の繰り返し」には厳しい処分が下されるべき!】
ここでは「加重の要件」を問題にしましたが、その際に世田谷区の懲戒処分の指針は以下(一部抜粋)のようになっていました。
桃野が赤線を引いた部分「過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び同様の非違行為を行った場合は、量定を加重する」。
上記ブログでも示したましたが、例えばこんなケースがあったらどうでしょう。
・職員Aは2019年の1月、故意に職務上知った秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせたとして停職処分を受けた。
・その一年後、2020年の1月、Aは今度は他人の物を盗んだ。
・「他人の物を盗んだ行為」は単発ならば停職相当と判断される事件だったが、過去の「秘密漏洩」による処分もあり、量定は加重され、停職より重い懲戒免職となった。
これ、一般的には処分内容について違和感を感じない方が多いのでは無いでしょうか。二回もそんな重大な事件を起こしたら「合わせて懲戒免職」となるのは仕方ない(or当然)と。
ところがこれまでの世田谷区の懲戒処分の指針からはそれはできないことになっていました。
それは加重できるケースを「同様の非違行為の繰り返し」に限定しているから。
上記の例で言えば、職員Aが2019年の1月に秘密漏洩をして懲戒処分を受け、更に2020年の1月にも秘密漏洩をした場合に限って加重できるということになっていたんです。
これはいくら何でも甘い。
加重できるケースを「同様の非違行為の繰り返し」に限定するべきでは無い。これまで桃野は区側に懲戒処分の指針の改訂を働きかけてきました。
事実、世田谷区役所では、二度も警察に逮捕されている職員が一度目と二度目の行為が「同様では無いから」と懲戒免職にならなかったケースもありましたし。
これまで、区側からも改定に前向きな答弁が出ていたのですが、この4月、新たな懲戒処分の指針が定められ、加重要件も変更されています。
以下、この4月1日から適用されている懲戒処分の指針(一部抜粋)です。
新たな懲戒処分の指針について、報告があったのは、先日(4/22)の企画総務委員会。その際、桃野は「加重要件の表現」について、曖昧になってしまったような印象がありましたので、その点について質疑しました。その際の人事課長の答弁の趣旨は以下。
・懲戒処分の指針は、桃野の指摘してきた部分も考慮して改正した。
・以前の指針では「同様の非違行為を行なった者への処分は加重する」というものだった。
・今般の指針は、懲戒処分の有無に関わらず、過去の非違行為を加えて判断するということになっている。
・処分を下す側の裁量を広げている。
・処分をしても尚反省をしないという者については加重するということになる。
・過去の処分の有無、過去の処分の違いに関わらず、過去の非違行為を広く加味して総合的に判断することが適切と考えてこの表現になった。
この答弁を受けて、加重要件の曖昧さは解消されたとは思います。いずれにしても、このようなことは、わかるようにはっきりと懲戒処分の指針に書き込まれているべき。これも委員会中で人事課長に意見しています。
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