正常性バイアスは怖い。災害時でも「自分は大丈夫」となんとなく安心してしまう方がいるのではないでしょうか。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
ここ数日、大きなニュースになっていました。米国とイランによる互いへの攻撃。
今朝の朝刊の時点では、イランがイラク国内にある米軍基地にミサイルを打ち込み、すわ大規模な軍事衝突に発展かという状況でしたが、ニュースを追いかけていると両国首脳ともにその後は抑制的な言動、態度へと変化をしているよう。
中東情勢への懸念から一時大幅に値を下げた米国、日本の株式市場も、その後全面高の様相となっていますから「先ずは危機は去った」との受け止めが広がったということでしょう。
まずは良かった。
ただし、かの地で活動する反米勢力が、イラン・米国の二国間の思惑とは関係なく独自の軍事行動を起こす可能性もあるでしょうから、まだまだ余談は許しません。
日本政府は、事態沈静化のための外交努力を続けるとともに、邦人の安全についても万全を尽くしてもらいたいと思います。
さて危機管理という面では根っこは同じかもしれません。
「正常性バイアス」の罠にはまらないこと。
人間は自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまいがち。
例えば、あなたが職場で仕事中に非常ベルが鳴ったとします。炎が見えるわけでもない、煙が漂っているわけでもなければ「あれっ、今日避難訓練でもあったかな」と悠長に構えてしまう可能性があるのでは。もしも別のフロアで火事が起きていたとしても。
自然災害などでも同じ、台風が近づき警報が発令されていても「自分は大丈夫」となんとなく安心してしまう方がいるのではないでしょうか。
今日の読売新聞夕刊にこんな記事がありました。
【台風19号どう避難 住民調査 …車で被災 ■逃げ遅れ 政府12都県で 対策探る】
政府が昨年の台風19号で被災した住民の防災意識や避難行動について調査を行います。
大風19号で死者・行方不明者が出た宮城、福島など12都県38市区町村の住民に協力を依頼し、被災当日に避難した場所、その場所を選んだ理由、避難方法などを尋ねるとともに、警戒レベルについては、政府の指標を知っているかや、従来の表示よりわかりやすくなったかなどを聞くとのこと。
内閣府は、調査結果をもとに、避難行動の実態や理由、警戒レベルに対する認識などを把握し、災害時に人を救う手がかりにしたいとしています。
記事では、台風19号で浮かび上がった主な課題として以下を挙げています。
・被害が予想されても避難しない人、避難するタイミングの遅い人が多かった。
・車で移動中に被災した人が多かった。
・ハザードマップの認知が不十分で危険区域内で被災した人が約7割に上った。
台風などの自然災害時も「自分は大丈夫だろう」との思いが胸をよぎったら「正常性バイアスによって現実が見えていないのかも」と自身の感覚を疑ってみるうことも必要です。
■写真は桃野が例年参加している地元の避難所運営訓練の際のもの
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