世田谷区の「学術的な著作物」に対する、権利擁護の意識が低すぎて驚くという話。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区議会は今日から決算特別委員会。
桃野は今日の「総括質疑」、明日(10/2)の企画総務委員会所管質疑、10/9の都市整備委員会所管質疑、10/10の文教委員会所管質疑で質疑を行う予定です。
結構ハード。でも、もちろん限られた質疑時間を大切に、課題解決に全力で取り組みます。
今日は総括質疑。
取り上げたテーマは「世田谷区史編さん事業」について。
まずは区政施行85周年記念誌として編さんされた「往古来今」が実に誤りだらけだという話。
刊行後に正誤表で訂正された箇所は、実に80カ所。
費用は印刷事業者との契約だけで初版で315万円、改訂版で125万円ですが、訂正すべきところを訂正したはずの改訂版でも既に誤りが数件発見されています。
区の編さん事業がこんなずさんな仕事で良いのか。調べると、スケジュール管理の問題、事務局機能の脆弱さなどなど様々な問題が見えてきました。
他にも権利関係に対する認識の甘さも。
往古来今に執筆していただいた専門家の研究成果を、区が承諾も連絡も事前の取り決めも一切なく、他の目的で利用していたことがわかりました(世田谷デジタルミュージアムに掲載)。
無断掲載してしまった件では、その執筆者に対して謝罪するという答弁があった一方で「出典をつければ問題ない」とか、「(非を認めて削除したのではなく)より適切な資料に差し替えた」とか、区の責任を認めるのかどうかについてもよくわからない部分があり、今日のところはまだまだ問題が残ります。
今日の質疑では、時間の関係もあり、今後このようなことがないようと、区には検証を求めるという内容になっています
というのも、この往古来今は、お試し版と言いましょうか、プロローグと言いましょうか、
実は世田谷区は、区政90周年の前年となる令和3年度から7年度にかけて、より本格的な区史をシリーズで刊行するべく、今、その編さんを進めているところ。
この事業は平成29年度の決算で約1700万円、平成30年度の決算で約1700万円、令和元年度の予算で約2500万円のお金が投じられています。
もちろん、全シリーズ刊行まで予算投入は続く。
これからも内容の訂正が相次いだり、権利関係に対する認識が曖昧だったりすれば、大変な問題となるでしょう。区は、これまでの失敗の轍を踏まぬよう、事業の進め方についてしっかりと検証、改善していかなければなりません。
質問の様子(動画)はこちらでご覧ください。
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