「セクシー田中さん」を巡る出来事を機に、世田谷区長は「著作者人格権の不行使を約束しないなら委員から外す」について、もう一度考えてもらいたい。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
セクシー田中さん。流行りの漫画やドラマに疎い桃野は、その中身はもとより作者が誰なのかも知りませんでした。
もし誰かと話していて、セクシー田中さんの話題になったら「ドラマでしょう?聞いたことはあるよ」と答える程度だったでしょう。でも疎い桃野が「聞いたことある」ぐらいなので、多くの方に愛される人気の作品なのだと思います。
そんな人気漫画の作者であり、人気ドラマの原作者であった芦原妃名子さんの突然の訃報。当然大きなニュースになりました。
漫画家・芦原妃名子さんが死亡 「セクシー田中さん」など連載https://t.co/pl9WqJcf9b
— 日テレNEWS NNN (@news24ntv) January 29, 2024
先ずは心より、故人のご冥福をお祈りいたします。
芦原さんは生前、ドラマの脚本や登場人物の設定が自身の原作とかけ離れていたことに心を痛めていて、その気持ちをSNSで吐露していたと報道されています。
想像するに、自身の作品がドラマ化され、多くの方に見てもらえることになれば、それは嬉しいこと。だけどその中身が知らないところで改変されていくというのは、ドラマ化の喜びが一転し、大変な心痛だったのではないでしょうか。そうした心の痛みが命の問題にまで至ったのだとすればそれはとても悲しいこと。
セクシー田中さん、芦原妃名子さんを巡る出来事は著作権、著作者人格権、知的財産権について、テレビ業界、出版業界に大きな課題を突きつけたのではないでしょうか。
そして桃野が芦原さん急死のニュースに触れ、頭をよぎったのが世田谷区、世田谷区長が引き起こした著作者人格権についての問題です。
◾️こちら関連の動画。議会質問、区長の答弁などです(約6分)
以下、過去ブログでも記しましたが、再掲です。
まず著作者人格権とは?
著作者人格権とは著作者の名誉、思い入れを守るための権利です。例えば、著作者人格権の中に含まれる同一性保持権は、著作者が作成したもの、区史で言えば執筆した文章に無断で手を入れさせない権利。執筆者が「AはBである」と書いたものを編集作業の中で「AはCである」と書き替えさせない権利ということですね。
2017年より世田谷区史編さん事業を進めていた区は、2023年3月になって、執筆者に対し著作権の譲渡、著作者人格権の不行使を迫り、受け入れない執筆者を編さん委員から外す旨、明言してきました。
これはとても乱暴。執筆者の皆さん、それぞれの分野の専門家です。その専門家に執筆させて、中身は区が勝手に書き換えられるようにしますと。世田谷区のこの所業はこれまで東京新聞、朝日新聞、NHKなどでも報道され、区民からも批判の声が上がっていますが、世田谷区長全く改める気配なし。
こちらは関連ブログ。
区史編さん問題。「答弁を控える」という答弁は通用しないとカッコよく政権与党を批判していた世田谷区長。自分に厳しい質問には途端に「答弁を控える」
今回のセクシー田中さん、芦原妃名子さんを巡る出来事を機に、世田谷区長にも是非、「著作者人格権の不行使を約束しないなら委員から外す」というやり方についてもう一度考えてもらいたいと思います。自身のフリーライター時代のことを思い返せば答えは自ずと出るのでは。
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