感染症対策はもちろん大切。しかし子ども達の生活全般を見ての取り組みが必要では無いでしょうか。「徹底」一本槍ではなく、負の影響も考慮した施策を。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
文部科学省が全国の小中高校などを対象に実施した令和3年度の「問題行動・不登校調査」の結果が公表されました。
・いじめ認知件数が61万5351件と前年度比9万8118件の増。過去最多を記録。
・小中高校から報告された自殺者は、過去最多だった前年度比で47人少ない368人。
・小中学校の不登校児童生徒数は過去最多の24万4940人で、前年度比4万8813人増。
(引用以上)
いじめ件数は長年増加傾向。令和2年度は一斉休校の影響もあり前年度比で若干減少しましたが、3年度は再び増加に転じました。
感染症対策が暮らしにどう影響するか。難しいところ。”文科省は「人間関係をつくる活動が十分に行えず、関係構築がうまくいっていない」ことで、いじめなど各指標の増加につながったとみる”→いじめ61万5千件で過去最多 不登校は24万人超 文科省調査 https://t.co/eCdvzeavAL @Sankei_news
— 桃野芳文(世田谷区議会議員) (@momono4423) November 17, 2022
以下、いじめ認知件数の推移を示したグラフです(文科省のサイトより)。いじめ防止対策推進法施行(平成25年)により、法施行前には把握できなかったいじめが表面化し、以降件数が増加し続けているとされます。
「加害児童生徒に対する学校の措置状況」を見ると以下の状況(文科省のサイトより)。加害児童生徒は64,000人以上ですが出席停止は一人のみ。桃野の議会質問に対して世田谷区の教育総務部長は「把握できる範囲で出席停止の事例は無い」旨答弁していますが、全国的にも稀であるということがわかります。
以下、関連ブログ。
「学校に行かなくてもいいんだよ」という「優しい排除」。いじめ被害者が教室、そして学校から離脱していく一方で、加害者は学校に通い続ける。
文科省は、今回の調査結果のポイントとして以下を挙げています。
・小・中学校では新型コロナウイルスの感染症の影響から、ストレスを抱える児童生徒が増えたことなどが、暴力行為の発生件数の増加の一因となった。
・令和3年度は新型コロナウイルス感染症の影響が続き、感染を予防しながらの生活となったが、部活動や学校行事などの様々な活動が徐々に再開されたことにより接触機会が増加するとともに、いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義やいじめの積極的な認知に対する理解が広がったことなどで、いじめの認知件数が増加した。
(引用以上)
児童生徒達にとっての楽しい行事が中止や規模縮小になってしまっていることの他、給食時の黙食の徹底などもストレス因子になっているのかもしれません。感染症対策が大切なのは言うまでもありませんが、子ども達の生活全般を見ての取り組みが必要。「徹底」一本槍ではなく、負の影響が最小限になるようなバランスも考えなくてはいけないように思います。
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