児童養護施設の記録 ~葦牙(あしかび)~
子供は社会の宝。
子供は未来の夢にほかなりません。
しかし、その子供が大人から肉体的、精神的に虐待を受けている。
悲しい現実です。
1990年頃から社会問題化しつつあった児童虐待。
深刻化する現状にあわせ、2000年に「児童虐待の防止等に関する法律」が制定されるに至ります。
現在虐待を理由に施設に保護されている子供は全国で4万人。
一昔前は親を失った等の理由で入所する子供が多かった児童養護施設ですが、現在では6割~7割の子供が親からの虐待を理由とする入所者です。
しかし、この4万人はむしろ幸運な子供たちと言えるかもしれません。
社会の水面下で虐待を受けている子供は30万人と推定されています。
そして虐待で命を落とす子供は後を絶ちません。
本日、ある方にご案内を頂き、世田谷区要保護児童支援協議会主催の児童虐待予防映画上映会に参加しました。
児童養護施設「みちのくみどり学園」を舞台に、子供たちの成長、スタッフの取り組みを描いた映画「葦牙(あしかび)」の上映のほか、この映画の監督である小池征人さん、世田谷区の児童養護施設の施設長である飯田正人さんのお話が聞ける貴重な機会でした。
葦牙とは、葦の若芽。力強い生命力の象徴です。
みちのくみどり学園の子供たちは、自分たちが直面した虐待という不幸な現実と向きあい、たくましく成長をしていました。
親からの虐待によって、身体だけでなく、心にも深い傷を負い、様々な問題を抱えている子供たち。
しかし、子供たちは自分の未来に向かって、力強く、時に驚くほど自分や家族に対して鋭い慧眼をもち、立派な人間として成長を続けています。
厳しい現実とたたかいながら、将来の夢に向かって進んでいく姿は本当に感動的でした。
そして、子供たちだけではなく、スタッフのみなさん、地域住民のみなさんの取り組みも本当に素晴らしい。
みなさん、大変なご苦労の中で熱い使命感を持って取り組んでいらっしゃいます。
みどり学園の園長先生が映画の中でおっしゃっていました。
「嘘ではなく、真摯に、楽天や希望を子供たちに語らないといけない。この悲惨な世の中だからこそ、だれか大人がそれを語らないといけないんです。私が定年になっても、関係ない。この仕事は一生続きます。」
心に刺さる言葉でした。
映画の中で「3日に1人」と言われていました。
驚くことに、虐待で殺される子供の数です。
コメント2件
児童虐待のニュースは最も見たくないもです。親が子供を虐待する、挙げ句の果てに殺してしまう。酷いものです。かつて貧しかった頃の日本で子殺しは間引きと言われていました。それは貧しさ故だったはずです。心を鬼にして泣く泣く子供を殺さなければならない。理由が違います。
現代は生活に困って殺すのではない。どこか心がネジ曲がって貧しくなっているのでしょう。経済成長とともに人と人の繋がりが希薄になり、地域で子供を育てる、そういったものが失われてしまったのではないのでしょうか。『子供は国の宝』、区議は国政とは違いその身近な問題を解決していく大きなポジションだと思います。応援します。
虐待関連の事件は、子を持つ親として一番見たくなく、そして応えるニュースです。でも決して目を背けず実際に行動を起こして行かないといけないと思います。もちろん私の周りでも注意していますが、やはり同じ様な意識を持ち、より多くの人たちに影響を与える方の取り組みも必要不可欠だと思いますので是非頑張って頂きたいと思います。