分身ロボットOriHimeを活用して、医療的ケア児の学びを支援。今年度も東洋大学との共同研究が継続です。是非、本格導入につなげたい!
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
これまで議会でも取り上げてきました「分身ロボットOriHime(オリヒメ)」を活用した授業。OriHimeは、入院中の医療的ケア児など、学校に登校できない子どもと学校を結ぶ効果的なツールだと考えています。
医療的ケア児が、教室に設置されたOriHimeを遠隔操作して、授業に参加したり、友達と交流したりする取り組み。該当の児童生徒が自宅にいても、病院にいてもOriHimeを通じて学校生活を体感することもできます。
昨年度(令和3年度)、試行的に行われていたOriHimeを活用した医療的ケア児への支援ですが、桃野は是非継続、拡充をと区に求めてきました。
桃野が提案を始めた当初は、区の答弁は前向きではなく「研究事業は今年度で終わり」の内容でした。その後の本格導入についての言質が一切ない中での「今年で終わり」では、この事業にブレーキがかかってしまいます。桃野は医療的ケア児への支援が後退してしまうことを懸念をし、区に、Orihime事業の継続、拡充を求め続けてきました。
その後徐々に区の答弁も変化。今年3月の予算特別委員会では区側から、事業継続に向けた前向きな答弁が出るに至ります。
そして本日(5/25)の文教委員会にて、具体的に事業継続の報告がありました。
もちろん、ズームなどを活用して、遠隔で授業を受けることは可能でしょう。しかし分身ロボットを通じ会話やゼスチャーでコミュニケーションが可能であることには大きな意味があると思います。これからも様々なツールをうまく組み合わせ、児童生徒の様々な事情に適した支援を進めるべき。
桃野は、学校にも積極的に新しいテクノロジーを導入することを目指し、子どもたちの学びを最大限サポートしていきたます。
以下、本日(5/25)の文教委員会での区の説明資料より抜粋。
【分身ロボット OriHime を活用した医療的ケア児の学校活動への参加にかかる研究の継続実施について】
東洋大学福祉社会開発研究センター(以下、「東洋大学」)」との協働研究により実施した、医療的ケア児を対象とした分身ロボットOriHimeを活用した学校活動への参加にかかる研究事業について、昨年度の実施状況と令和4年度 の取組み内容を報告する。
■実施内容
授業中、休み時間や行事等、修学旅行等の課外活動において、分身ロボットOriHimeを介して参加し、医療的ケア児に対する学びの保障や他の児童とのコミュニ ケーションの支援を行い、分身ロボットOriHime導入の効果や有用性について検証した。
■検証結果
◯話し合いや音楽活動等の集団活動について
・分身ロボットOriHimeを介して、会話やジェスチャーで意思表示を行うことで、 意見交換や学びあいの場において有用性を発揮した。
・また、対象児童のクラスへの帰属感を高めることができた。
〇修学旅行等の課外授業について
・参加や移動が困難な場面等において、分身ロボットOriHimeを持ち込むことによ り、他の児童と共に体験する経験や時間の共有を行うことができた。
・これまで以上に学校活動への参加の機会が広がったことにより、双方に共に学ぶ意欲が高まった。
〇他の児童・生徒への影響について
・分身ロボットOriHimeを活用し、ジェスチャー等で意思表示を行うことで、オンラインにおいても、他の児童に対し対象児童の存在感をより示すことができ、教室内の児童の自発的な気づきや配慮が生まれ、多様性への理解と尊重を促進することができた。
〇教科学習での活用について
・分身ロボットOriHimeでは黒板の文字が認識しづらいという問題があった。
・対象児童の身体状況によっては、分身ロボットOriHimeの操作に時間を要するため、意思表示までに時間がかかる。
・通常の教科学習においては、より学習面に特化した機能を有している ZOOM やTEAMS の方が有用であった。
〇利用環境について
・分身ロボットOriHimeの校外での活用にあたっては、Wi-Fi 等の環境を整える必 要がある。
・トラブルの発生時には速やかな復旧が必要となるため、機器をサポートする人材の育成と確保が必要となる。
■今年度の取り組み内容
今年度も東洋大学との協働研究を継続し、事例の積み上げを行うとともに、分身ロボットOriHimeの具体的な導入対象や活用方法、ZOOM や TEAMS との役割分担について更なる検証を行い、事業化の可能性について検討する。
・実施校
区立小学校・中学校 2校程度
・実施期間
令和4年6月から令和5年2月まで(予定)
(以下、委員会資料です)
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